第1165回「ヤンソンス&バイエルン放送響によるショスタコとチャイコ、ロ短調の交響曲」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのはマリス・ヤンソンスがバイエルン放送交響楽団とそれぞれ2013年にライヴ収録したショスタコーヴィチの交響曲第6番とチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」の2曲をみていきます。上記2曲にある共通点としては「ロ短調」ということ。チャイコフスキーの「悲愴」に関しては過去にレニングラード・フィルとのライヴ録音を聴いてるが、今回バイエルン放送響とはどのような演奏になっているのか。2つのロ短調交響曲についてみていたいと思う。


「マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団」

ショスタコーヴィチ作曲:
交響曲第6番 ロ短調作品54


チャイコフスキー作曲:
交響曲第6番 ロ短調作品74



 チャイコフスキーとショスタコーヴィチは度々セットにされやすいのだが、今回の交響曲でいえば人気的には「悲愴」は高い人気を誇るものの、ショスタコーヴィチの第6番は他の交響曲と比べるとそれほどないかもしれない。しかし、今回こうして同じ「ロ短調」という共通点のある2つの交響曲を聴くことによって改めてその曲の良さを知ることができるのではないか?と私は考えている。


 ショスタコーヴィチ:交響曲第6番、2013年3月18〜21日ライヴ録音

・・・第1楽章緩徐楽章、第2楽章スケルツォ、第3楽章終曲の構成のため「頭のない交響曲」とも呼ばれるこの曲。「暗→明」というわかりやすい構成にもなっている。そのため切り替わった瞬間のバイエルン放送響のキレ味が非常に良く、今回の演奏を聴いてこの第6番がはじめてカッコ良いと思える瞬間に巡り会えたかのように思えている。ダイナミック・レンジの幅広さを明確かつたっぷりと生かした柔軟で統一感のある弦楽器群が功を奏している。それに合わせる形で演奏されている木管楽器の歯切れ良さには聴いていてどこか清々しさすら感じることができる。


 チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」、2013年6月4〜7日ライヴ録音

・・・「緩→急」、「急→緩」の切り替えが非常に明確なものとなっており、特に第3楽章でのメリハリ、スケールは凄まじいものとなっている。ダイナミック・レンジの幅広さが増しており、ミュンヘンのフィルハーモニー・イム・ガスタイクでの臨場感をそのまま味わえるような素晴らしさが演奏からは感じられるようになっている。第4楽章では対照的に、弦楽器が中心となって美しくはかない音色と響きを用いながらたっぷりと歌い上げている。そしてこれは全楽章共通してなのだが、金管楽器が登場した瞬間に場が締まるというか音圧に聴いているだけで圧倒させられてしまう。これはライヴでぜひとも聴きたかった演奏だ。


 今回ヤンソンスがバイエルン放送響と演奏したショスタコーヴィチとチャイコフスキーの第6番は2曲とも聴いていて度肝を抜かされた録音であることは間違いない。通常CD盤ながらSACDハイブリッド盤顔負けの圧倒的な音質の良さは聴いていて爽快感を覚える。何度も繰り返し聴きたくなるような素晴らしい演奏だった。ヤンソンスがバイエルン放送響と録音しているショスタコーヴィチやチャイコフスキー作品はまだまだ存在しているので、後日それらを聴いてみたいとも思っている。


https://tower.jp/item/3536536/ショスタコーヴィチ:-交響曲第6番、チャイコフスキー:-交響曲第6番《悲愴》