第835回「ヴィヴァルディ没後280年、イ・ムジチ合奏団による「四季」のステレオサウンド盤」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日7月28日はアントニオ・ヴィヴァルディの命日です。今年で没後280年となります。そんな本日はヴィヴァルディの代表作である協奏曲集「四季」をみていきたいと思います。演奏はイ・ムジチ合奏団によるもので、ステレオサウンドから発売されたSACD+CD盤。同月にエソテリックSACDが発売され、こちらはすでに当ブログでも取り上げています。エソテリック盤との比較も含めつつステレオサウンド盤の「四季」をみていきましょう。


「イ・ムジチ合奏団」


ヴィヴァルディ作曲:
協奏曲集「四季」



 ステレオサウンドはSACDとCDのセットで往年の名盤をオリジナルマスターの音を楽しむことができることが売りであり、これまでストラヴィンスキーの三大バレエ音楽やショルティ&ウィーン・フィルによるワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」、リヒテル&カラヤンのチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番などを発売してきた。数こそ少ないもののエソテリック盤に引けを取らないSACDとしてマニアに知られている。また、廃盤となったエソテリック盤は値段が数倍に跳ね上がるもののステレオサウンド盤はそこまで値段が跳ね上がることはない。そういう点でも安心できるわけだ。

 ヴィヴァルディ協奏曲集「四季」、3月に同演奏のエソテリック盤を聴き終えたから4ヶ月経ったわけだが、エソテリック盤とステレオサウンド盤が同月に発売されることを知った時は非常に驚いた。エソテリック盤はこれに加えてもう何曲か収録されているが、ステレオサウンド盤は「四季」のみ。価格に関してもステレオサウンド盤が高く設定されている。となると後はどこで差がつくのかというところとなると音質である。はじめに述べておくと両方とも素晴らしい仕上がりで、「四季」の決定盤たるこの1959年の演奏をより良いものへと変化させている。まずエソテリック盤は全体的に純粋そのもので、真っ新な美しさが良い。ダイナミック・レンジの幅広さも素晴らしい。対してステレオサウンド盤は全体的に音がダイレクトに流れ込んでくるようなダイナミックサウンドで、ダイナミック・レンジはエソテリック盤よりも一段階上をいっている気がする。そのため細かい旋律を明確に聴くことができる。ただ終始大音量といったような感じで少々疲れる。今回はイヤホンで試聴したのでそう感じたのかもしれない。スピーカーで聴けばもう少し余裕が持てることだろう。またノイズが少々目立つ部分がいくつかあり、「ブツブツ」という音もステレオサウンド盤では確認することができる。

 結論を言えば両方とも素晴らしい復刻であり、どちらが良いかということは正直選べない。それぞれの盤にそれぞれの良さがあるからである。バロック時代の音楽に関しては私自身まだまだなところはあるが、ヴィヴァルディの命日にこの「四季」を聴くことができて良かったと今は思っている。ステレオサウンドでは他にも素晴らしい名盤が発売されているのだが、中々店頭で発売されているのをみたことがないため手に入れるのには一苦労する。これはエソテリック盤よりも並ぶ確率が低い。ケルテスのドヴォルザーク「新世界」もステレオサウンド盤、エソテリック盤それぞれから発売されているので後日購入できたら比較をしたいところだ。