第527回「フルトヴェングラー&ウィーンフィルによるブラームス交響曲第1番、ハンガリー舞曲他」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃以前取り上げていたフルトヴェングラー生誕125年企画SACDハイブリッド盤のベートーヴェン交響曲、一通りご紹介し終えたので次の段階へ以降したいと思います。次はブラームスの交響曲をみていきます。曲目としては交響曲第1番、ハイドンの主題による変奏曲、ハンガリー舞曲集より第1、3、10番、演奏はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団です。「ザ・ブラームス」という言葉が似合う名盤が高音質で蘇ります。

 

 

「ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」

 

 

ブラームス作曲:

ハンガリー舞曲集より第1番、3番、10番

 

ハイドンの主題による変奏曲

 

交響曲第1番

 

 

 

 フルトヴェングラーはベルリンフィル、ウィーンフィルと共に数多くの名演を残してきた。セッション録音もそうだが、ライヴ録音にほとんどの名盤が残されている。今回から3回にわたって取り上げるフルトヴェングラーのブラームス交響曲全集はウィーンフィル、ベルリンフィルとそれぞれ録音を行った色あせることのない歴史的名録音である。

 

 まずハンガリー舞曲集の3曲。元はピアノ曲でブラームス、ドヴォルザーク含め複数の人物がオーケストレーションを行い、管弦楽用に編曲したものが今日知られている演奏である。今回の3曲はブラームス自身の手によって管弦楽用に編曲されたもの、有名な5番が収録されていないのが非常に残念だが、今回の3曲でも充分に楽しめる演奏に今回のものは仕上がっている。舞曲と呼ぶにはテンポも重めで重心は低いのだが、その安定感と統一性に関しては素晴らしい。

 

 ブラームス作品の中でもキャッチーで親しみやすい「ハイドン変奏曲」。基本一定のテンポで進んでいくためあまり変化はないのだが、その抜群の安定感とブレのない演奏はウィーンフィルとフルトヴェングラーだからこそなし得た演奏なのだろう。2種類の序曲が収録されていないのは残念だが、「ハイドン変奏曲」だけでも収録されている点に感謝しかない。

 

 交響曲第1番、ブラームスの交響曲は私自身最初はあまり聴く部類ではなかったが、ここ最近よく聴くようになったレパートリーの一つでもある。ベートーヴェンの延長線上にいる作曲家とされつつあるが、ベートーヴェン作品よりも味わいは全く違う。ブラームス作品はわりと渋く、重厚感があり少し苦味を感じるというのが私個人の見解だ。私は今年25歳になったが、ブラームスはもう少し上の年代が聴く音楽というイメージをどこか植え付けられている。フルトヴェングラーの演奏はまさにそれに近い。フルトヴェングラーの指揮でテンポが遅めであるということはブラームス以外の演奏でもそうなのだが、その分ウィーンフィルの奥深いサウンドが堪能できるというものである。これは全く悪い意味で言っているわけではない。また曲の構成としてもベートーヴェン由来の「暗→明」という形になっているので、非常に聴きやすい。聴きどころは4楽章、神秘的で植え付けられていたイメージを払拭する美しいサウンドを聴くことができる。いつもフルトヴェングラーが残した演奏には驚かされてばかりだが、今回の演奏は間違いなく私個人の中にあるブラームスのイメージを変えることができたことは間違いないだろう。

 

 フルトヴェングラーによる「ブラームスの世界」。ベルリンフィル、ウィーンフィル交互に演奏を聴くことができ、そのたびにサウンド作りの違いを楽しめるがフルトヴェングラーの独特な雰囲気は変わらない。今から9年前の2011年に今回のSACDハイブリッド盤は発売されているが、音質は非常に良い。多少ノイズは残るもののその味わいは素晴らしい。残る交響曲は3曲、少しずつ扱っていく予定だがぜひ多くの人々にフルトヴェングラーのブラームスを体感していただきたい。

 

https://tower.jp/item/3705188/ブラームス:交響曲第1番-他