第493回「ウィルソンとシンフォニア・オブ・ロンドンの熱演、ローマ三部作」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。

 

 

 みなさんこんにちは😃9月以降ですが、当ブログとはまた別の作業を個人的に考えているところです。私自身コロナによって今年は演奏会がなくなってしまったため、音を奏でる場が減ってしまいました。そんなこともあって、CDを大量購入するまでは良かったのですが出費が激しいので、出費を抑えるためにも家でできる音楽の形を今考えているところです。9月から作業は開始しますので、お披露目できる時が来たらTwitter等でお披露目したいと思います。

 

 さて、暑い夏を吹き飛ばすのはやはり「熱演」しかない!ということで、本日はジョン・ウィルソンとシンフォニア・オブ・ロンドンによるレスピーギの代表作「ローマ三部作」をみていきます。2018年にこのコンビが打ち出したコルンゴルトの交響曲が話題を呼びましたが、今回の「三部作」も素晴らしい演奏です。同じ系統としましては、バッティストーニと東フィルのライヴ演奏が忘れられませんが、ウィルソンも負けてはいません。誰が聴いても胸が熱くなる演奏を聴いてきましょう!!

 

 

「ジョン・ウィルソン指揮/シンフォニア・オブ・ロンドン」

 

 

レスピーギ作曲:

交響詩「ローマの祭」、「ローマの噴水」、「ローマの松」

 

 

 

 レスピーギの「ローマ三部作」、「祭、噴水、松」からなり、これまでにトスカニーニ、オーマンディ、シノーポリ、パッパーノ、バッティストーニなどが演奏してきた20世紀における名曲中の名曲。日本では吹奏楽版が演奏会や吹奏楽コンクールなどで頻繁に演奏されており、幅広い年代が知っています。シンフォニア・オブ・ロンドンは1955年にゴードン・ウォーカーによって設立された映画音楽のための楽団であった、有名な作品の映画音楽を担当してきたが、あまり表向きには活躍を残していない。この楽団で知られているのは1962年にバルビローリ指揮で演奏したエルガーの「弦楽のためのセレナーデ」とヴォーン・ウィリアムズの「タリスの主題による幻想曲」の2曲である。2018年にジョン・ウィルソンにより再結成されたこの楽団は21世紀に新たな姿となって、不死鳥の如く舞い戻ってきたのだ。

 

 「ローマ三部作」はレスピーギの作風が色濃く発揮された作品で、すべての音に個性が存在している。マーラーやストラヴィンキーなどのような「混沌」や「原始的」という印象ではなく、「煌びやか」という言葉が正しいだろう。

 

 今回演奏しているのがシンフォニア・オブ・ロンドンだから良かったのは、映画音楽のような迫力もありつつ、ウィルソンによる躍動的で、爆発力も備え付けられた指揮に対し、柔軟に対応できているということ。一曲目の「ローマの祭」から快調に飛ばしていく。バンダトランペットがファンファーレを奏でるがブレることのない安定感を持って演奏しているのが非常に素晴らしい。また、2楽章に入り、「急から緩」に変わっていくが、ここでの場面転換も良い。そして再び4楽章の主顕祭に入ると再びどんどん加速していく。バッティストーニの時は、終盤になってテンポを追い上げたが、ウィルソンの場合は「最初からクライマックス」とでも言わんばかりの追い込みである。続く「ローマの噴水」、この三部作の中では緩徐楽章的な立ち位置にある美しい曲。松と同じく木管楽器がメインとなり、水のせせらぎすら感じられる美しさがウィルソンの手によって奏でられる。決して重々しいわけではなく、軽快に進んでいく。様々な曲を映画音楽で演奏してきたオーケストラなだけあり音色の変化に柔軟に対応できる点は非常に素晴らしい。2楽章に入るとホルンの力強い旋律が奏でられ、金管が少しずつ加わり曲調も変わるが、レスピーギらしい「キラキラ」とした音色は失われていない。そして、三部作の終結として必ず位置付けられる「ローマの松」。冒頭から低音が一切存在しないという中で奏でられる世界というのはまた新しいものを感じる。作曲された順番としては一番最初だが、三部作として最後に部類されるのは4楽章にバンダがあることの理由が大きいだろう。一曲目の「ローマの祭」の冒頭でバンダが現れ、三曲目の「ローマの松」で三部作の締めくくりとしてバンダが再びその姿を表す。曲としてもボルテージが最高潮のまま終わりを迎えるため非常に良い演出だ。個人的には2楽章のトランペットが舞台裏から奏でるソロが特に美しく、一回でいいからやってみたいとも思っているのだが、一向にその機会に恵まれない。

 

 今回の演奏もどちらかといえば吹奏楽寄りと捉えてもおかしくはないかもしれない。ただ、爆音がないというのも中々良いものだなと個人的には感じた演奏だった。また、録音に関しても悪くなく、各楽器の音がよく聴こえる。一つ一つの音に個性が感じられるレスピーギ作品にはもってこいのオーケストラだったかもしれない。SACDハイブリッド盤で聴けるため、きっと満足いくこと間違いないだろう。

 

https://tower.jp/item/5065745/レスピーギ:-ローマ三部作