第477回「アバド&ベルリンフィルによる華麗なるヤナーチェク、ヒンデミット作品集エソテリック盤」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃昨日昼ご飯に久しぶりにすた丼を食べまして、結構な量だったんですが、前は食べられたものの、昨日は食べ終えた後に腹痛に襲われまして…もう無闇に大食いもできないと思いましたね。夜ご飯食べる量も減ってきているので、次は昼ご飯を減らす努力をしたいと思います。当分ラーメンの大盛りも食べれないかもしれませんね。

 さて、本日は当ブログでも中々取り扱うことがないヤナーチェクとヒンデミットの作品集をご紹介したいと思います。前回リヒターによるブランデンブルク協奏曲集のエソテリック盤をご紹介しましたが、それと同時に発売されたもう一つのエソテリック盤となっています。演奏しているのはアバドとベルリンフィルです。


「クラウディオ・アバド指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」


ヤナーチェク作曲:
シンフォニエッタ

ヒンデミット作曲:
ウェーバーの主題による交響的変容、交響曲「画家マティス」



 今回のヤナーチェク、ヒンデミット作品集だが、このエソテリック盤が発売する前に私はアバドとベルリンフィルによる「ドイツ・グラモフォン全集」を購入しており、こちらもその時収録されていたのを覚えている。結果的に音質の改善も含めて得をしたことに変わりはないのだが、未収録となっている曲もいくつか存在するため、どうせならばそちらも収録して欲しかったところがあるが、ヤナーチェク、ヒンデミットそれぞれの主要な作品を取り上げるとすればこの選曲になることは明白なのであまりとやかくは言わないこととする。

 ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」。吹奏楽編曲版も多少人気があり、今日においてもしばしば演奏される。ヤナーチェク自身野外コンサートで吹奏楽を聴きこの曲を考えたというところであるし、吹奏楽編曲版となってもなんら違和感はない。1楽章の冒頭からバンダによって奏でられる神秘的なサウンドは素晴らしいもので、私はあまり金管アンサンブルは好きではないのだが、今回の演奏に関しては非常に素晴らしいと思う。1968年にアバドはロンドン響ともこの曲の録音は残しているものの、圧倒的に全てにおいてこたらの方が上である。何より聴いていて耳が疲れることがない。全ての楽器がはっきりと聴こえるこのバランス感も良い。曲全体として重要となる冒頭のバンダとティンパニのファンファーレはその後にも重要なモチーフは後にいくにつれより素晴らしいものとなっている。

 続くヒンデミット作品2種類。ヒンデミット作品の中でも特に知られている作品。1995年にヒンデミット生誕100周年を記念して作られたアルバムに収録されていたのが、この2曲だ。まずは「ウェーバーの主題による交響的変容」だが、蓋を開けてみるとさまざまなものがどんどんと出てくる面白い演奏。これまで数は少ないものの、いろいろな演奏を聴いてきたが、今回の演奏は特に面白い。まさに多種多様と言ったところだろうか。2楽章「トゥーランドット」に基づく変奏曲が特に素晴らしく、様々な楽器にどんどん旋律が受け渡されていくのだが、その絶妙なバランスとベルリンフィルが誇るアンサンブルがこれまた格別に良い。どこかジャズに通じるものを多く感じる。この曲も今日において吹奏楽編曲版が良く演奏される姿をみかける。そして、交響曲「画家マティス」。3楽章からなり、実際にマティスの代表作が題材とされている。初演はフルトヴェングラーとベルリンフィルによって行われた。この後に「ヒンデミット事件」が起きるわけだが、これについてはここで深くは話さないこととする。曲自体20世紀音楽を代表する素晴らしいものとなっており、曲自体も面白い。初演時に演奏したベルリンフィルがこうして再び演奏しているという点も思い深い面であると同時に、ヒンデミットらしい多彩な演奏を楽しむことができる。

 今回のエソテリック盤でのリイシューはまさに成功といえるもので、リヒターのブランデンブルク協奏曲全曲と同様にダイナミクスレンジの広がりや音質の改善も力の入れようが違う。基本的にエソテリック盤ほとんどのCDは素晴らしい出来栄えになって戻ってくるのだが、特に近年発売されたものの中でも素晴らしいのではないだろうか?そう感じるのはきっと、普段ヤナーチェク、ヒンデミットの作品集を聴かないということもあるからこそだろう。次に何がリイシューされるのか非常に楽しみなのと同時に何度でもこの演奏を聴きなおしたいと思う。