第414回:最強のベートーヴェン序曲集!パーヴォ・ヤルヴィとドイツカンマーによる興奮鳴りやまぬ音 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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みなさんこんにちは😃
現在までにベートーヴェンの作品は多くの演奏者に演奏されてきた。
しかし、名曲は交響曲だけではないということを改めてここで声を大きくして言いたい。
そんな今回はベートーヴェンの序曲集に焦点を当てていく。
現在において小編成でなおかつ古典奏法が徐々に主流化してきた中でそれを楽しむのはパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンによる序曲集が一番だと私は考える。当ブログでも交響曲全集を初期にご紹介している。(また後日再投稿する予定。)あの演奏を聴いた時の衝撃は忘れられない。あの時の衝撃があったからこそこの序曲集があるのかもしれない。
ということで今回はパーヴォとドイツカンマーフィルによるベートーヴェン序曲集をみていこう。


「パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン」


ベートーヴェン序曲集



まずは曲目をみていこう。

1.「プロメテウスの創造物」序曲作品43
2.「コリオラン」序曲作品62
3. 歌劇「フィデリオ」序曲作品72c
4.「レオノーレ」序曲第3番作品72b
5.「エグモント」序曲作品84
6.「献堂式」序曲作品124


比較的今日において多くの回数演奏会でも見受けられる曲目である。
個人的には「コリオラン」序曲が一番好きな曲になっている。理由としては当ブログでもご紹介したフルトヴェングラーのドイツ帝国放送局アーカイヴの紹介動画の劇中にも使われた際の曲が「コリオラン」序曲で、冒頭から繰り出される音の塊には心の底から興奮したのを今でも覚えている。今回の演奏はその時の興奮を思い出させてくれた。

今回の演奏は交響曲全集の時と同様で対抗配置でヴィブラートを抑制、豊かなアーティキュレーションの弦、名手ぞろいの管、ヴァルヴなしのナチュラル・トランペット、堅いバチで叩くピリオド仕様のティンパニなど多くの面でこだわりが垣間見える。
人によっては常に固く強めの発音であるため疲れてしまう人も多いかもしれないが、これまでのベートーヴェン像を崩されることは間違いないため非常に印象強いものであることは間違いないだろう。
特に「エグモント」序曲。ラストがカッコよく多くの金管奏者からも人気が高いこの曲だが、これはトランペット奏者だから気づいたことだろう。一部部分オクターヴがあげられていたことにはすぐに気づいた。実際問題この曲を私もやった時は楽譜通りに演奏すると大変申し訳ないのだが、やや物足りなくなるところが存在する。
過去にバーンスタインなどの一部の指揮者はオクターヴをあげている演奏を残したが、まさか古典奏法を使用している中でオクターヴをあげる行為に至ったことには衝撃を受けている。
この点には賛否両論あるかもしれないが、ぜひとも聴いてもらいたい。

これまでの大オーケストラでの響きをなくし、室内オーケストラで、なおかつピリオドの要素も加えた今回の演奏。
パーヴォはドイツカンマーフィルとブラームスやシューマンも録音しているのだが、おそらくこのベートーヴェンの演奏がなければヒットしなかったかもしれない。
世界の名だたるオーケストラと共演をしていき、オーケストラごとに内容が偏ることがない素晴らしい選曲には脱帽もの。
ぜひNHK交響楽団とも交響曲全集や序曲集も残していただきたいと密かに思っている。
また、パーヴォとドイツカンマーフィルのコンビはあまり知られていないがベートーヴェンのピアノ協奏曲全集も製作している。
ピアノは仲道郁代が弾いている。こちらの全集もまた探してぜひとも聴きたいと思う。すでに廃盤になっているので手に入れづらいかもしれないがパーヴォのファンとして聴いておきたい。