第342回「壮大かつ美しく、ジュリーニの数少ない録音、ブルックナー8番」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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みなさんこんにちは😃
気候も暖かくなりもうコートもいらなくなるところまできました。
と同時に花粉も盛んになりつつあるので花粉症の人々には辛い時期となります。

さて本日ご紹介していく名盤は
ジュリーニのブルックナー。
その数少ない録音の中からウィーンフィルとのブルックナー交響曲第8番をご紹介していきます。
その作品の良さを出し切った演奏にご注目ください。


「カルロ・マリア・ジュリーニ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」


ブルックナー作曲:
交響曲第8番(1890年 ノヴァーク版)



ジュリーニはウィーンフィルとブルックナー交響曲第7,8,9番の録音を残していますが、今回のブルックナー8番はウィーンフィルとの交響曲初録音という点も大きく意味のある演奏となっています。
人気のあるヴァント、朝比奈隆、カラヤン、ヨッフムらのブルックナーとは違いジュリーニのブルックナーはどちらかといえばコアなファン向けな面が否めない。
とはいえ人気はあるのだからもう少し表向きになっても良いのですが、ジュリーニはブルックナーの演奏をあまりしていない点が影を薄くしているのかもしれません。
実際問題聴いてみるとその素晴らしい演奏に心を打たれるのですが…
今回のレーベルは毎度人気の高いドイツ・グラモフォンと期待は大いにしていただいて問題はありません。

実際にオーケストラこそは違えど、シカゴ響とのマーラー交響曲第9番は他のオーケストラの演奏とは全く似ない特徴を全て網羅し、「力」の「美」が集約されたものとなっていました。
今回の演奏もそれに近いものがあり、金管楽器群の咆哮はまさに「力」を、木管楽器や弦楽器の美しい歌いまわしは「美」を象徴している。
これにより他の同曲の録音とはまた違うものを聴いている感覚に陥りより印象が強く残りやすい演奏となっています。
全体的にテンポはガクッと下がった形の遅めのテンポ。
しかしながらその壮大なスケールで描かれる演奏は多くの人々の度肝を抜き、印象を強く残す形となります。
その分一つ一つの迫力も増しますし、美しさも倍増するので通常よりもより一層楽しめることは間違いないでしょう。
おそらく数少ないジュリーニのブルックナーを好きな人も数は多くないはず。
王道を行くヨッフム、ヴァント、朝比奈隆らとはまた違う形のブルックナーに新しい神域を見出すことができます。

よりブルックナーを体感したい人にオススメする演奏がこのジュリーニのブルックナーだなと私は考えます。
テンポがいつもよりも遅い分その時間も長くなりますがより体感できる時間も増えますし良いことしかないです。
また、1985年度レコードアカデミー賞も受賞した演奏なので期待したもの以上のものを得ることができる点も素晴らしい。
ブルックナーの演奏は種類が多く、一曲あたりの時間も長いので好みが分かれるところではありますがジュリーニのブルックナー8番は全員にオススメできるのでぜひ聴いてみてください。
きっと新しい神域を見ることができます。