第252回「1967年に行われたミュンシュとパリ管による爆演!!幻想交響曲、海etc.」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。



みなさんおはようございます☀
「爆演」それはスタジオ録音ではなくライヴ録音の時に特に見られるもので同じ指揮者の演奏でもスタジオとライヴで大分振り方を変えたりしているものが挙げられます。
テンシュテットのマーラーもそうですし、近年ではバッティストーニと東フィルのローマ三部作もそのうちの一つと言えます。
本日はそんな「爆演」を1967年に行われた演奏会のライヴ録音をまた一つご紹介します。


「シャルル・ミュンシュ指揮/パリ管弦楽団」


ベルリオーズ作曲:幻想交響曲
ストラヴィンキー作曲:レクイエム・ティクルス
ドビュッシー作曲:交響詩「海」



ミュンシュとパリ管といえば幻想交響曲は非常に有名ですね。あの情熱たっぷり、迫力満天の演奏には多くの人々が心を奪われたことかと思います。私もその一人です。
そして今回はその時以上の熱量を持ってして演奏されたこれら三曲。
あの幻想交響曲が前プロで演奏されているという点も注目すべき点と言えます。
何にせよ今回の三曲中「海」と幻想交響曲に関してはついにリミッターが外れたそんな演奏である気がします。

始めからやはり通常よりもやや早いテンポ設定で始まる幻想交響曲。
過去にニコニコ動画で流行った「忙しい人のためのシリーズ」を思い出すような演奏と言いましょうか…
途中まではいつも通りの幻想交響曲です。途中までは。途端にスイッチが入った瞬間テンポは凄まじい追い上げをみせ、誰も聴いたことがない演奏を体感できます。
特に4楽章、5楽章はすごいを通り越して恐ろしいという印象に至ります。
これには亡者たちもびっくりしてしまいそうですが全てが駆け足でなおかつ大音量の大迫力で演奏され締めくくりもロングトーンは長い。
「ブラボー」と曲が終わった瞬間に言われているのが聴こえますがそれを言い終えてこそこの幻想交響曲は終わりを迎えることができる。そんな気がしています。

ストラヴィンキーのレクイエム・ティクルスはほぼ現代音楽と化しているため詳しいことは楽譜を見ないとわかりませんが合唱と弦楽器の組み合わせも非常に相性良く演奏されています。
そしておそらくメインとして扱われている?ドビュッシーの「海」は冒頭こそやはり幻想交響曲の時と同じように通常と同じようなテンポ、雰囲気の設定で始まりますが途中で豹変とまではいきませんが、衝撃を受けることは間違いありません。
そして誰もこんなに早い「海」を聴いたことないはず。きっと初めてこの演奏を聴く人々は皆口が開いてしまうかと思われます。

爆演が決して悪いわけではありません。
近年はこういう演奏が非常に多く感じられますが昔はあまり多くない印象を受けます。
いつもとはまた一つ違う曲の良さを楽しめるため良い手とは思いますが、やりすぎには気をつけたいところと個人的に思いました。
今回のCDはぜひマーチングをしている、もしくはやったことがある人にはぜひオススメしたいそんなCDです。