第155回「感情に流されないきっちりかっちりとしたホーレンシュタインの代表作マーラー3番」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。


みなさんおはようございます☀
1970年にヤッシャ・ホーレンシュタインがロンドン交響楽団と録音したマーラーの交響曲第3番は発売してから多くのマーラーファンを虜にしていきました。
しかし廃盤となってからその音源を聴くのは中々難しくなります。
かろうじて聴けたとしても全集などに収録されていればいい方ですが、ここ最近では見る影もなくなりクラシック音楽界の中でもツウな人くらいしか知らない存在となってしまいました。
しかし8月31日その長きに渡る沈黙が破られここにSACDハイブリッド盤として蘇りましたので、こちらについてご紹介したいと思います。


「ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮/ロンドン交響楽団」

マーラー作曲:交響曲第3番


「夏の交響曲」とも呼ばれるこの曲。時期的に夏はもう終わり秋の足音が近づいていますが、マーラーの交響曲としてもその他の交響曲としても最長を誇るこの曲。今では破られてしまいましたがギネスブックに「世界最長の交響曲」として載ったことがあります。
その時間は約100分。1楽章から約35分あり、聴いている側から考えたら途中で寝てしまいそうになります。

ホーレンシュタインはマーラーの交響曲を多く演奏しており全集までには至らなかったものの6番、8番、9番は今回の3番と双璧を成すくらいの名演が存在しています。
演奏するオーケストラの特性を理解した上でその時々によってスタンスを変えそれぞれのマーラーを表現する。
それによりファンの間でも発売当時の世代の方々からは高い評価を受けるも今現在では多くのマーラー指揮者が存在しているため他の指揮者と比較した時に「普通すぎてつまらない」という意見を今現在では半々くらいで意見が分かれています。

これも考えかたですが、60〜70年代はまだマーラーブーム前の時代でバーンスタインやアバドも全集を製作している最中だったりワルターやクレンペラーもマーラーの交響曲は演奏していましたが世間体では今ほど名が知られてはいなかったのと3番はマーラーの交響曲の中でもとりわけ長いものと分類されるため今では多いものの演奏するオーケストラや指揮者が当時は少なかったものと考えられます。(ワルターやクレンペラーの録音も存在していないため)

今回の演奏の聴きどころとしては全体的にバランスが良く強すぎず弱すぎない演奏であるということ。
そして感情的になるような演奏をせず己自身をセーブすることにより他の録音とは違う面を聴くことができるマーラーの交響曲第3番となっています。
人によって好き嫌いが分かれるかもしれませんが、私自身この交響曲は未だこれという名演に巡り会えてないのですが一つの引き出しにしまっておこうと考えることとなったマーラーでした。