第154回「ワーグナーのスペシャリストクナッパーツブッシュによるワーグナー名演集」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。


みなさんこんにちは😃
みなさんは「この作曲家といえばこの指揮者」というイメージはありますでしょうか?
ベートーヴェンやモーツァルトなど有名な作曲家の方々は正直あげきらないかもしれません。
例えばチャイコフスキーならムラヴィンスキー(後期三大交響曲)や近年だとクルレンツィス(悲愴)。
マーラーならアバド、バーンスタイン、ワルターやクレンペラーなど人それぞれ存在するかと思います。
今回は私個人的にブルックナーやワーグナーを代表的な録音に持つハンス・クナッパーツブッシュがウィーンフィルと演奏をしたワーグナー名演集をご紹介します。


「ハンス・クナッパーツブッシュ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」

リヒャルト・ワーグナー名演集


ここのところワーグナーの作品集を多く取り上げている気がします。
カラヤンとベルリンフィルのワーグナー管弦楽曲集エソテリック盤では高級感ある品の高い印象を植え付けられるような綺麗なワーグナー。
セルとクリーヴランド管は迫力あるダイナミックサウンドが特徴的で弦楽器の素晴らしさというよりも管楽器の強さを見せつけたものでした。
そして今回のワーグナー名演集は管弦楽曲というよりも歌手と管弦楽が織り成す究極のワーグナーとなっています。

年代的に50年代に録音された本作。トスカニーニやフルトヴェングラーなどと肩を並べたクナッパーツブッシュは特にブルックナーとワーグナーの曲を多く録音しています。
ワーグナーのスペシャリストともいえるクナッパーツブッシュでしたが、長年懸念されているのはその時代特有の音質的な問題。
同時期のフルトヴェングラーの演奏もそうですが、ノイズが入っているためその点を気にしてしまう方も少なくはないかと思います。
私自身はノイズもその時代の味という形で受け取っていますが、
今回の再販ではタワーレコードお得意の世界初SACD化。マスターテープからダイレクト変換とマスタリングを行なっており音質に関してはこれまでのものよりも大分改善されているのは聴いていただければすぐにわかるかと思います。
そしてその改善があったからこそクナが指揮し、有名な歌手たちの歌声が非常にリアルに聴くことができます。


収録曲は以下の通り。

[ディスク1]

1. ヴェーゼンドンク歌曲集

2. 歌劇《ローエングリン》から 〈悲しみに打ち沈んだ日々〉

3. 舞台神聖祝典劇《パルジファル》から 〈私はあの子が、母の胸にすがるのを見た〉

楽劇《ヴァルキューレ》から

4. 〈館の男たちがすべて、この部屋に集まっていました〉、

5. 〈寒い冬の日々に〉

楽劇《トリスタンとイゾルデ》から

6. 1幕への前奏曲、

7. イゾルデの愛の死、

8. 〈ああ、何ということを!耐えねばならぬのか!


[ディスク2]

9. 歌劇《さまよえるオランダ人》から 〈期限は切れた〉

楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》から

10. 〈リラの花が何と柔らかく、また強く〉、

11. 〈迷いだ、迷いだ!どこも迷いだ!

12. 楽劇《ヴァルキューレ》から 〈ヴォータンの告別と魔の炎の音楽〉

楽劇《神々の黄昏》から

13. 夜明けとジークフリートのラインへの旅、

14. ジークフリートの葬送行進曲



DECCAにて録音されたクナのワーグナーの名曲たちが素晴らしいオーケストラの演奏と歌手の息遣いまで感じ取ることのできる名演が半世紀を経て蘇りました。
56〜59年のクナにおける最も活躍されていた時期に演奏され多くのワグネリアンを納得させた上質なワーグナーを聴くことができます。
ウィーンフィルの力強くかつ最高の美が奏でられる演奏と曲ごとの歌手の力強い歌声と美しく気高い歌声を楽しむことができます。
同時に強弱もはっきりとしていてイヤホンを通して聴いてみると恐ろしいくらいに現実離れしているかのようにホールや歌劇場で聴いているかのように深みのある演奏かつ音の塊が耳に流れ込んできます。


ワーグナーの楽劇は平均時間で考えたとしても約3時間あり私自身これまでに聴いたこのある楽劇は「ラインの黄金」、「ワルキューレ」、「ジークフリート」、「トリスタンとイゾルデ」しかまだありません。
しかし仕事をしている中で3時間という時間を確保するのは中々難しい。
そういう時にカラヤンやセルの楽劇の前奏曲や抜粋された管弦楽曲を聴いたり、今回のような歌手とオーケストラによる楽劇から持ってきたものを聴くことにより少しでもワーグナーオペラを体感することができます。
もちろん今後ワーグナーオペラに関しては全て聴くつもりですが、まずは少しずつ聴いていき楽劇全幕視聴に繋げていきたいと思います。