第116回「バッティストーニ渾身のベートーヴェン5番とサイバーバード協奏曲!!」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。


みなさんおはようございます☀
昨日仕事終わりにいつも通り職場の先輩方と飲みに行ったんですが、飲み過ぎというわけではないので食べ過ぎたのか気持ち悪くなってしまいました。吐きはしませんでしたが今までで一番危なかったです。

さてそんな話は置いておいて本日の名盤をご紹介しましょう。
今回は24日に発売されたばかりのアンドレア・バッティストーニ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団による演奏のベートーヴェン交響曲第5番と吉松隆さんのサクソフォン協奏曲「サイバーバード」の2曲のセットで発売されましたのでそちらをご紹介していきたいと思います。

「上野耕平(サクソフォン)、山中惇史(ピアノ)、石若駿(パーカッション)&アンドレア・バッティストーニ指揮/東京フィルハーモニー交響楽団

ベートーヴェン作曲:交響曲第5番
吉松隆作曲:サクソフォン協奏曲「サイバーバード」


2018年4月に発売した「BEYOND THE STANDARD」第1弾ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」、伊福部昭のタプカーラ交響曲、ゴジラ。第2弾チャイコフスキー交響曲第6番、武満徹の系図。と続いてきたこのシリーズはスタンダードなクラシック音楽の作品と21世紀に活躍をした日本人作曲家の名作の2つを取り上げ新しいクラシック界の創造とする企画。
なお演奏の解釈としてはスコアに立ち返っているようですが現在日本で活躍をしている指揮者バッティストーニによる表現力によりより新しいものを模索しています。

過去二作の日本人作曲家はすでに亡くなっていますが、今回のサイバーバード協奏曲を作曲した吉松隆さんは未だ現役の作曲家。2009年にはプログレッシブ・ロックの代表作EL&Pの「タルカス」を管弦楽版に編曲し話題を呼んだ他、大河ドラマ「平清盛」では音楽担当を務めています。

今回のサイバーバード協奏曲は吹奏楽ファンの方は知らない人はいないかと思いますがサクソフォン奏者の須川展也さんへの委嘱作品。
録音としては須川さんのものですでに3枚残っています。1994年に作曲されてから以後日本の有名なオケほとんどで演奏を行なっている吉松隆さんを代表とする曲。
その作風通り現代音楽、ジャズなど様々なジャンルが混ざり合ったような作品は新しいクラシックの創造を掻き立ててくれる素晴らしい構造となっています。
中心であるサクソフォンの他にこの協奏曲で重要な位置にあるピアノとパーカッション。つまりは一種の三重協奏曲なわけですが、今まではサクソフォンソロは須川さんの録音しかなかったですが今回は今若手のサクソフォン奏者の中で最も注目されている奏者上野耕平さんをソロに迎え、ピアノは山中惇史さん、パーカッションは石若駿さんを揃えて同年代の演奏家を集めたことにより響きにまとまりがあり音楽を心から楽しんでいる生き生きとした姿が聴いているだけ伝わってきます。

曲的に難易度も高く設定されており最初から最後まで非常に聞き応えある演奏で、1楽章から疾走感があり現代的な部分も作品が壊れないように不協和の響きが美しくなっています。
また何よりサクソフォンのレベルの高さがよくわかる名曲。
バッティストーニ自身クラシック以外のロック等もよく聴くそうですのでその分解釈としてもクラシック寄りにはなっていないのが今回の録音でよくわかります。
過去のサイバーバード協奏曲とはまた違い新しい風が吹き込まれそこに鳥たちが集まってきた。そんな印象を受けます。

そしてスタンダードクラシックはもう知らない人はいないですね。ベートーヴェンの交響曲第5番。日本では「運命」という呼び名で親しまれているこの作品。今まで日本の指揮者もそうですし海外の指揮者全てで指揮をしたことがない人などいないくらいの定番のクラシック音楽を代表する交響曲です。
ここ最近では「ベーレンライター社」の楽譜が出て波紋を読んだり、ピリオド楽器ブームによりベートーヴェンが聴いたであろう当時の響きを現在に蘇らせる演奏が多くある中今回バッティストーニは「運命」をこれまでと同じ解釈では全く演奏をしていないと言えるかと思います。
伝統的で厳格な「運命」は姿を変え勢い溢れるエネルギッシュな「運命」に変えてくれました。
第九の時もそうでしたが最後の追い込みは怒涛の勢いで締めくくられるので非常にテンションも上がるまさに名演。

名作クラシック音楽と21世紀を代表する日本人作曲家のクラシック音楽の2つが交わったこのシリーズ。1作目から期待をしていましたが回を増すごとにどんどん進化しています。次回の曲目も発表されているようなので次回作にも期待をしたいと思います。