第60回「人間の限界を超えろ!アシュケナージとプレヴィンのラフマニノフピアノ協奏曲集!!」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。


みなさんおはようございます☀
ピアノ。その楽器があるだけでオーケストラを1人でもこなすことができる唯一の楽器といっても過言ではありません。
ベートーヴェン、モーツァルト、リスト、ショパン、ドビュッシー、ラヴェル、サン=サーンス、ストラヴィンスキー、チャイコフスキー、プロコフィエフなどピアノ曲、ピアノ協奏曲を作曲した作曲家は数知れず、いずれも人気曲となるものが多い印象。
特にロマン後半以降のピアノ協奏曲は頻繁に演奏され管楽器奏者からも人気のある曲が多いですが今回そんな中取り上げるのは「セルゲイ・ラフマニノフ」が作曲した4つのピアノ協奏曲をご紹介します。演奏しているのはまずピアノソロ「ウラディーミル・アシュケナージ」。指揮者はラフマニノフの立役者「アンドレ・プレヴィンとロンドン交響楽団」
の名コンビでお送りします。


「ウラディーミル・アシュケナージ&アンドレ・プレヴィン指揮/ロンドン交響楽団」

ラフマニノフ作曲:ピアノ協奏曲全集


ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番といえば知らない人はもういないと言ってもいいでしょう。
それくらい頻繁に演奏される曲であり、ピアニストと管楽器奏者の憧れの曲といっても過言ではありません。
彼の名前を世界に知らしめた大作であり、難曲としても有名です。
今回はそのピアノ協奏曲第2番だけではく、1番、3番、4番も収録したアシュケナージとプレヴィンのコンビが録音をしたピアノ協奏曲全集です。

アシュケナージといえば現在は指揮者として活躍していることが多いですが、以前はピアニストとして多くの名曲を持ち前の実力でポリーニ、アルゲリッチと並び20世紀後半に活躍をしました。
その中でもラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を4度も録音しています。
プレヴィンにとってもアシュケナージにとってもラフマニノフは大きな存在であり、2人はその後もそれぞれ交響曲全集を録音したりしておりそれらも名盤として現在も語り継がれています。

演奏自体人間離れした技術がいるピアノソロであるような気がしてならない超絶技巧の数々には思わず開いた口が塞がらないくらい。
1番の3楽章には初めて聴いたとき度肝を抜かされたのを今でも覚えています。
正直最大級の難しさを備えているのはやはり3番でしょうか。マーラーとラフマニノフが共演し演奏したのは今でも有名な話ですが、その時マーラーがざわついた楽団員をなだめるために「静かにしなさい。この曲は傑作だ。」といったと言います。しかしそれでもこの3番は難曲中の難曲。その3番を4回もアシュケナージは録音しましたが一体何者なのか。

ピアニストとしてのアシュケナージはショパンコンクールで一躍有名となりクラシック音楽におけるピアノ曲はほとんど演奏し尽くしており、その小柄な体格から引き出されるテクニックに心打たれた人々は多いはず。
また指揮者としてはチャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチなどのロシア作曲家の作品を中心に指揮し、ベートーヴェンやシベリウスなども主要な曲に組み込んでいます。
その中でもモーツァルトとベートーヴェンのピアノ協奏曲は自分で弾き振りをしてしまうというハイテクニックなことも行なっています。

さて演奏ですが、さすがポリーニとアルゲリッチと肩を並べるピアニストなだけあってその繊細かつ力強いタッチ、難易度が高い旋律も難なく弾いてしまうアシュケナージの圧巻の演奏に加え、ラフマニノフといえばプレヴィンと言えるはずの重厚なサウンドに理想のラフマニノフを思い浮かべられます。
有名なピアノ協奏曲第2番もアシュケナージとプレヴィンの息ピッタリの演奏には気づいたら感動しており、ほかの同曲の録音を聴けなくなるような気がしています。
当分ここまでのがテクニックと表現力を兼ね備えたピアニストは今後もなかなか現れないはず。

ピアノ協奏曲はオーケストラレパートリーの中で交響曲、管弦楽曲に続く人気レパートリー。
特にピアニストには非常に人気が高い気がしますが、聴いていてどの曲もワクワクするし楽しみで仕方ないというのが私個人のピアノ協奏曲のイメージです。
大学1年の時にピアノ協奏曲第2番を演奏しましたが、あの時の興奮と感動は今でも忘れません。
その後の大学4年の時にはそのラフマニノフの影響を強く受けたピアノ協奏曲第1番を作曲した私の友人「松尾賢志郎」の曲も演奏しましたが、やはり演奏していてとても楽しかった…
やはり自分の好きな曲、音楽を演奏するとなると聴くだけでは得られない感動というものが込み上げてくるはず。今回のアシュケナージとプレヴィンのピアノ協奏曲全集はそんな気持ちを思い出させてくれるそんな名盤でした。