グリーンマックスのE653系フレッシュひたちが入線しました。グリーンマックス製品は、床下機器のバルクパーツやジャンク品のボディを買ったことはありますが、完成品の車両セットは初めてです。

 

グリーンレイクのK304編成です。実車は東急車輛製です。

 

E653系はグリーンマックス唯一のJR特急電車の製品です。2015年にいなほ・しらゆきが発売され、2016年に原形のフレッシュひたちもラインナップに加わりました。その後も製品展開が続き、全カラーバリエーション(フレッシュひたち5色、いなほ、しらゆき、いなほ瑠璃色、いなほハマナス色、国鉄特急色)が発売済みです。

設計が新しい製品なので造形はとてもシャープで、実車のイメージをよくとらえていると思います。

 

「グリーンレイク」は霞ケ浦をモチーフにしており、先頭車側面には帆曳舟のイラストが描かれています。

 

動力ユニットはコアレスモーター搭載。とてもコンパクトにまとめられていて、床下機器も立体的に再現されています。走行性能も非常に高く、特に発進時・停止時の滑らかさは素晴らしいです。

 

カプラーはアーノルドです。幌枠が付いていないこともあり連結面はスカスカで、車両間を通り抜けるには決死の大ジャンプが必要です。

 

高圧機器が目立つパンタ周り。昨年中古で購入した鉄コレ相鉄9000系についていたGMのパンタがかなりフニャフニャで頼りなかったのでE653もそんな感じなのかと思っていましたが、これは思ったよりしっかりしています。(しかしKATOやTOMIXのパンタよりは柔らかいです。)

 

 

 

ライトの光源は白色LEDです。ヘッドライトはシールドビームとHID灯の色の違いが再現されていないので、クリアーオレンジを塗って電球色にするとよいでしょう。

 

 

付属品として併結用ドローバーとドローバー対応のスカート、動力車の追加ウエイトが用意されています。

先頭部はTNカプラーに交換できるので、ドローバーは使わないと思います。

 

E653系はすでにマイクロエースの青・オレンジを所有しており、2015年~2016年にかけてディテールアップを施しました。今回入線したグリーンマックス製品と比較してみましょう。

 

青編成のクハE653は、未加工状態のものも1両だけ持っています。これは加工中に接着剤が付着してしまったボディを交換するためにホビーランドぽちで買ったものです。3年ほど前に買いましたが、結局交換しないまま現在に至っています。今回はこれも一緒に比較します。

 

 

最初に顔を見比べます。左からマイクロ、マイクロ改造品、GMです。

 

一番目立つ差異はスカート形状ですね。マイクロはマイクロカプラー首振りのために大きく開口され、実車とは似ても似つかない形状になっています。連結器上のボディの欠き取りも幅が広すぎます。

マイクロ改造品はプラ板で自作したスカートに交換しており見栄えが向上していますが、ボディの欠き取り幅が広すぎるのは修正しておらずスカート支柱との位置関係がおかしいです。

GMはかなりリアルです。スカート開口部が実車より少し大きいようですが(ドローバー・TNカプラーの首振りのためと思われる)、さほど違和感はありません。

 

マイクロは尾灯が小さすぎ&位置が高いです。GMはライト類の寸法や位置は実車に忠実ですが、ヘッドライトのくぼみ内部が塗られていないので、黒で色差しすると良いでしょう。

 

「Hitachi express」の文字板は、GMでは実車同様に透明カバー内部に取り付けられていて立体感があります。マイクロは上からシールを貼るだけです。

 

ワイパーはマイクロはモールドされていますがちょっと大げさでしょうか。GMは印刷表現です。

 

車体側面のシルバー塗装は両者で大きく質感が異なります。マイクロは落ち着いた雰囲気のメタリックグレーですがGMはステンレスボディのようなギラギラしたシルバーです。実車は両者の中間くらいだったように思います。

車体標記に目を向けると、GMは編成番号やエンド標記、乗務員室のピクトグラムが省略されています。ドアの縁に塗り残しも見られます。塗装・印刷のクオリティはマイクロが勝っているかもしれません。しかしマイクロは塩屋崎灯台の絵が大きすぎます。

 

屋根肩の段差も両者で異なります。GMはシルバーの塗分けに沿って段差がついており、実車通りです。

しかしマイクロは運転台の後ろで上に曲がるようなラインを描いています。これのせいで運転台付近の幅の絞り込みが足りず、前から見たときに頭でっかちな印象を受けてしまいます。

 

前照灯点灯状態。

マイクロはライト周辺全体が光ってしまうので、改造品ではライトレンズ周囲を黒く塗りつぶしています。また、ライト基板の構造上、左右で明るさが違います。

GMは黒い遮光ケースにレンズをはめ込む構造になっており、それぞれの光源が独立して光っているように見えます。明るさも均一です。

「Hitachi express」もマイクロ・GMともに光りますがGMは暗いです。

 

尾灯点灯状態。マイクロの改造品が黄色っぽく光っているように見えますが、肉眼で見ると全てちゃんと赤く光っています。

GMの「Hitachi express」はこちらのほうが明るいです。

 

妻面。左がマイクロ、右がGMです。両者で解釈が異なります。

 

屋上機器の比較。マイクロは色差しをしています。

GMのほうが各種高圧機器の形状が正確に再現されており、配管も細かく作りこまれています。マイクロはあっさりしていて物足りない感じ。

しかし、ホーンが長いパンタグラフ形状はマイクロのほうが正確です。

 

クーラー・屋根上ダクトの比較。左は未加工のマイクロ、中央はマイクロ加工品、右がGMです。

GMはクーラーメッシュが細かく再現されていて精密感がありますが、未塗装でプラスチック感丸出しなのでマイクロ改造品同様に灰色9号に塗るとよさそうです。

ダクトは、マイクロは大きすぎます。

 

床下機器は圧倒的にGMにほうが精密です。写真はモハE653で、マイクロでは主変圧器がほとんど省略されてしまっています。

 

台車もGMのほうが立体的でリアルな造形です。

窓の大きさも異なり、実車と比較してみるとマイクロは高さが足りないようです。

 

室内。マイクロは運転台も含めて紫色で実車と全く異なるため、改造品では塗装しています。GMは床面と座席が別パーツになっており、色分けされています。

ライトユニットはマイクロは床板と一体ですがGMはボディ側に取り付けられています。

 

以上、GMのE653系のレビューおよびマイクロとの比較でした。マイクロで不満に感じていた部分がほとんど解消されており、これぞ求めていたE653系!というような製品でした。(しかし幌が無い連結面や塗装の質など弱点もあり、詰めの甘い部分が見られるのも事実です)

 

GM製品には大満足ですが、手間をかけて改造したマイクロ製品にももちろん愛着があります。両方とも大事にしていきたいと思います。