流浪の月 〈유랑의 달〉 | 韓国映画ひくほどLOVE ~時々ぴょんて

〈ヒューマン〉

  監督:李相日(撮影:ホン・ギョンピョ)

  出演:松坂桃李、広瀬すず



撮影監督が『パラサイト』のホン・ギョンピョさんという事で。スクリーンにて観て参りましたが。

先ず。

俳優さん達が良い!

 

主演のお二人も良かったけれど、横浜流星さんが素晴らしかったですね〜。

今までイケメン俳優さんとしか認識していなかったので、今回の演技に驚いたし、特にマンション入り口での鬼気迫る演技は必見です。それだけでも観る価値があるかも。

 

内容はちょっと難しい問題で。色々考えちゃって重苦しい気分になるし。胸がとっても痛い。

 

私も「頼る実家のない人」なので。主人公の弱みも分かるっちゃ分かるけど。

私の場合、幸か不幸かモテなかったので。彼女らのように男性に頼る路線での生き方を考えた事がないんだよね。その部分では逆に、共感出来ない部分も多く。歯痒かった。

 

とは言え。全く独りでは生きられないのが人間ですから。物理的にも精神的にも誰かと関わって生きるしかなくて。

そして、その関わる人間が自分にとって必要であるのか。大切であるのか。有害であるのか。。。それは他人が考える「常識」や「倫理観」と必ずしも一致するとは限らない。

 

世間ってやつは、一方向からしか物事を見てはくれないからね。まぁ、その枠を大切にする事で平和を維持しようとしている訳なので。一概にそれを責める事も出来ないけども。

結局、枠からはみ出た人間はどうしようもなく生き辛いまま。と言うことなのでしょう。(私もそっちサイドでございます)

 

とにかく。

尺も長いし。内容が重いので。観るのにそれなりの覚悟は必要ですが。センスある監督(撮影監督)の自然で美しい映像と、日本の俳優陣の濃ゆい演技が存分に堪能出来る逸品である事に間違いはないと思います。