晩夏 〈늦여름〉 | 韓国映画ひくほどLOVE ~時々ぴょんて

〈ヒューマン〉

  監督:チョ・ソンギュ

  出演:イム・ウォニ、チョン・ソクホ



今回も東京国際映画祭提携企画、コリアンシネマウィーク上映会で観させて頂きました。ありがとうございます。

かなりお気に入りの作品でございました。

 

済州島の穏やかな風景の中、まったりした空気感となんでもない会話。初めはホン・サンスチックなんだけど。

会話のスピードや展開は意外とテンポが早く。飽きさせません。

 

田舎町でゲストハウスを営む仲良し夫婦の元に、お互いの過去に関わる人物がやってくる。。。普通ならドロドロした感じにもなりそうなところ、彼らはちゃんと相手の成り行きを適度な距離を置いて見守っていくの。

 

思わぬ過去の襲来で。聞く必要のなかった過去も、気になってしまった今となれば聞くしかなくなる訳だけど。本当に何気なく聞くんだよね。答える方もとても素直に答える。

そんな描写がとても良い。

まぁ、思いがけず過去と対峙する事になり、きちんと消化出来たからというのもあると思うけど。

 

必要だった時期に惹かれ合い、縁あって一緒になれた二人だから。こんな風に必要な時、必要に応じて一緒に乗り越えていけばいい。。。日頃から思っている事を改めて思い出させて貰いました。


優し過ぎる旦那と元ヤンっぽい気の強い奥さん。まるで我が夫婦のよう。。。やっぱりこう言うカップルって悪く無いんだよなぁ〜(笑)。

 

過去から逃げるなと言う人がいるけれど。私は全然逃げても良いと思う。

ただ、逃げるのに向いてる人と向いてない人がいるので。そこは間違えないようにしないと。

逃げてスッキリ。新しい人生を楽しめるなら正解。

逃げたところで身体に過去が染み込んでいて、いつまでも気になっているのなら不正解。そんな人は結局、ちゃんと向き合って消化しないと。逃げた意味も無いでしょ。

逃げるって一番簡単なやり口のような気がするけど、実際はそうでも無いってことだね。

 

この作品の良いところは、過去から逃げた夫婦が過去を消化出来たのと同様、過去に関わった二人もまた、きちんと過去の精算が出来た。みんな良かったね、って言う。。。ま、残念ながら現実は、そんなに上手くいかないもんだけどさ。