<ヒューマン・実話>
監督:ファン・ドンヒョク
出演:ダニエル・ヘニー、キム・ヨンチョル
アメリカに養子に出された男性が韓国へ渡り親を探すが。。。見つかった父親は死刑囚だった。
なんとも強引な話だと思えるけれど。実話だと言う。まさに、現実は小説より奇なり。
ダニエルさんは勿論カッコいいし。他の俳優さん達も芸達者を揃えているので。そこそこ観ていられる作品ではありますが。
実のところ。
エンドロールに流れるドキュメントフィルムの為の壮大なプロローグと言うか。それを理解する為に登場人物のプロフィールを見せられた感じがするのよね。
個々の人物像が浅くて。感情移入がとても難しかったので。いち作品としては今一つ楽しめなかった。お涙頂戴バリバリなのに。全く涙も出なかったもん。
ただ。
「壮大なプロローグ」だと思えば、その役割はきっちりと果たしていて。ドキュメント映像では涙涙。また涙。ほんと、泣いた。
主人公は穏やかな家庭で育っていて。決して現在の親子関係から逃れたかった等という理由ではなく。単に自分のルーツを知る事を諦めきれなかっただけなので。
やっと探し出した親が死刑囚だと知った時、「探さなければ良かったのに」と。私は単純にそう思ってしまったのですが。。。彼は違ったのよ。
互いを欲する人間愛というのは、単なる血縁関係や一緒に過ごした時間の量なんて、簡単に超えてしまうんだよと。そういう事なのでしょうか。
実の親に育てられても、異常に希薄な親子関係の元で生きてきた私には、求める気持ちも失う気持ちも。それを超えていく気持ちも。到底理解出来ない訳ですが。
本編をプロローグ扱いしてしまい申し訳ないけれど。
短いドキュメント映像からも十分に伝わる、「息子」と「父親」の気持ちの交流。複雑な心の痛みと共にそれを見られただけでもまぁ、観た甲斐があったかなと。言えるかも知れません。