<時代劇・アクション>
監督:チョン・ユンチョル
出演:イ・ジョンジェ、ヨ・ジング
戦争に行きたくないもんだから、金で人を雇って代わりに行ってもらうって。。。とんでもない話。それが代立。
雇われている方も、それで家族を食わせているんだからって部分はあるけれど。キビシイ身分制度の中、金持ちが貧乏人の命を軽くみている典型ですよね。
最近、外国人労働者の件が話題になっておりますが。もし、世界各国に兵役があったとして。(この作品の時代でも違法ですが)違法な代立が黙認されているとしたら。。。みんなやりそうだよね。いや、絶対にやるよね。
金持ちが貧しい(自国や他国の)人を雇って。戦争行ってもらうに違いないよ。
今だって自国の国民がやりたがらない事を、他国の貧困層にやらせてる現状は多々ある訳だし。命に係わる違いは大きいものの。基本的には似たようなもんだもの。
そんな、代立で生きている男達と、悲劇の人、光海君を描いているこの作品。
光海君のストーリーは今までにいくつも観てきていますが。代立軍からの視線とういのは初めてで。新鮮ですね。
けど。
イ・ジョンジェさんとキム・ムヨルさんがカッコいいから、なんとかなっているものの。全体的には少し・・・いや、かなり物足りなさが残ったかも。
「代位軍」と聞いて、まぁ思い当たりそうな内容のみで終わった。という感じ。
良いところも多々あったのよ。
キム・ムヨルさんとヨ・ジングさんが民衆を癒す場面は感涙ものだったし。ラストへの持って行き方は(お約束と分かってはいても)やはり感動したし。
悲惨な運命の中でも懸命に生きる人達と、戦争という行為の愚かさ。信念の為に戦うと言うならまだしも、貧困が故に行かざるを得ないとか。何も知らないまま、ただただ巻き込まれてとか・・・そんな理由で命を奪われる悲劇。
戦争映画は嫌いですが。権力争い、民族闘争etc。どんな理由があっても戦争はダメなんだと改めて確認する為にも、映画というのは一番身近なツールだから。逃げずに。時には観ないとね。
最後に。
キム・ムヨルさん。めちゃカッコ良かったので。『記憶の夜』と、(ドラマですが)『美しい私の花嫁』を。おススメしときます。
感情的な演技も、抑えた演技も。素晴らしいわ~。