26年 <26년> | 韓国映画ひくほどLOVE ~時々ぴょんて

<ヒューマン・復讐>

   監督:チョ・グニョン

   出演:チング、ペ・スピン



何が凄いって。

主役級から端役チョイ役に至るまで、ほぼみんな私の知ってるお顔。って言うのが。凄かった。それだけでもかなり、得した感が満載でしたわ。

 

作品の性質上、スター過ぎても(事務所が嫌がるでしょうから)出られない。無名過ぎても(先の影響を考えて)躊躇する、と言うところもあったのかも知れませんけど。

取り敢えず私の頭の中の俳優録とガッツリ合致しまくる、見事なメンツでございました。

 

4月に、ソン・ガンホさまの『タクシー運転手』が公開されますし。光州事件を扱った作品を観てみようかと。これを選んだのですが。

 

観ている途中、友達が泣きながら電話して来る夜が続いてね。3度も見直したんだよね。

それでも、最後はボロボロ泣く程、ちゃんと感情移入が出来ました。

 

で。それ。

ニューヨークに住む友達なんだけど。。。失恋したんだってさ。

10代から友達で。。。40代半ばも過ぎて、未だに同じ事をやってるんだからね。

ある意味、かなりのバイタリティーで。彼女らしいっちゃらしいけど。。。疲れないかね?

 

朝方に辛くなっても、さすがに他の友達には電話しにくいから、昼夜逆の私に白羽の矢が当たるのでしょうが。一度電話がくると、4時間くらい解放されないのよ。

昭和じゃ無理だったよね。電話代がかさむし。けど、今は通話無料だから。キリがない。無料通話をちょっと恨む夜もある(汗)。

アメリカいた頃も何度思った事か。。。もう勘弁してくれぇ~。寝かせてくれぇ~。

ま、若い時は寝ないで仕事行ってもどうって事は無かったけどさ。

 

でも。

恋愛体質もここまでくると尊敬に値しますし。それが彼女の生きる道ならば。応援するしかない。

とにかく自分を大切に。幸せを探して欲しいですわ。

 

で。いつもの脱線後、無理やりつなげてみるけど(笑)。

そんな、恋に猛進する彼女同様、「復讐」に猛進する人々を描いている作品で。

内容的には正直キビシイ部分はあるわ。計画甘いし。無理あるし。

けどまぁそれもまた、韓国映画の良いところですから。

 

役者さん達のエネルギーが伝わり、作品全体の熱量はかなりのものですしね。こういう作品に出る、という腹のくくり具合が、良い方向で現れている気がします。

 

『太陽の末裔』もそうだけど、こちらのチングさんもそりゃもうカッコいい!たまりませんよ。

チンピラ臭漂う兄貴系男子をやらせたら天下一品だよね。チンチャ。

 

チャン・グァンさんなんて、『トガニ』でかなりの殺意を憶えましたが。今回も半端ないです。その憎々しさ。脱帽。

 

とにかく。

監督やキャストの交代や、公開もスムーズにはいかなかった中、実際の事件にまつわる実在の人物を断罪する、このような挑戦的な作品が作られる事自体に意味がある訳ですから。

クラウドファンディングだし。。。あ、エンドロールで協力者の名前が流れますが。涙がすっかり乾く程長いっす。まさに、みんなの思い、だよね。

 

歴史及び政治問題は、それぞれの思想や思惑、立場によっても善悪の判断が真逆になってしまい。

権力の前では、普通に生きている市民が巻き込まれているという単純な事実さへ、闇に葬られてしまう事件も世界には数多く。

 

しかもこの作品の場合で言えば、「復讐」という概念自体が、人によってとらえ方が違うし。

特に日本人だと、韓国ドラマや映画にありがちな、「家族の為に自分の人生を捨ててまで復讐する」というのは、素直に共感出来ない部分でもあるでしょう。

 

(ちなみに私は100%「復讐肌」で。復讐者を心底応援してしまいます。。。が、それはあくまでフィクションの世界でのお話しで。実際にはしないし、するべきでは無いと思うけどね)

 

そんな感じで。難しい題材ではあるものの。

いち娯楽作品としては、かなりの上出来。個人的には大満足でございました。

いや、やはり、役者さん達の熱意でしょ。それに尽きると思います。はい。