二十四節句の四月の節句は清明であり、七十二候での初候の玄鳥至(つばめきたる)五日からである。次候の鴻雁北(こうがんきたへかえる)は十日から。末候の虹始見(にじはじめてあらわる)である。続く節句の穀雨の初候は、葭始生(あしはじめてしょうず)二十日から。次候は霜止出稲(しもやみてなえいずるは二十五日から。末候の牡丹華(牡丹華策は)四月の三十日から五月の五日である。
(写真鎌倉 妙本寺の海棠)
清明は、全ての物が清らかで、生命に満ち溢れる頃を指す。若葉が萌え、花が咲き、鳥が歌い舞い、生き生きとした命輝く季節である。また四月八日はお釈迦様の生まれた日で鎌倉の寺院でも灌仏会が行われる。花が咲き賑わう季節で、誕生を祝う降誕会がお花まつりとしてにぎわう。お釈迦様が生まれた時、空から甘露の雨が降ったと言い伝えられ、様々な草加で花見道を作り欲仏盆に誕生仏を置いて、その上から甘茶を注いで祝う。そして甘茶を御馳走になり健康を祈る。この甘茶で墨をすり、「千早振る卯月八日は吉日よ神さけ虫を成敗ぞする」と書き、戸口に逆さに張ると虫封じになるという風習もある。
(写真:鎌倉 極楽寺)
三・四月にかけ日本人の半数が杉、ヒノキの花粉症を罹患するらしく、外に出るのも辛い時期である。四月の半ばになると少しずつ花粉症も治まり本来ならマスクの人も少なくなるが、私はカモガヤの花粉症もあるため五月のゴールデンウイーク明けまでマスクは例年必要である。今年の花粉症は二月の中旬から猛威を振るい、万全の装備と薬を服薬して外出しても、夜になるとくしゃみと鼻つまりで苦しむ酷い年だった。今でもコロナ感染症の影響なのか、まだほとんどの人はマスクを着けている。夏場になればマスクを外す人も増えてくるだろう。しかし、高齢者や持病のある人は、自己管理が必要だと思う。
今年に入り五月で、鎌倉での生活も丸四年を過ぎる。人生の節目というか何かと忙しく、鎌倉の市中に週一回の行きつけのお店に伺うのみで、散策に訪れる事はほとんどなく、少し体調も壊してしまった。
今日の気候は昨年より良く、気温も安定した日が続いている。四月初旬は十八度から二十二・三度と例年同様である。昨年は初旬が十二度から十六度と寒く、中旬には十四度から二十四度と寒暖差が激しかった。下旬には十八度から二十七度と夏日に達する寒暖の激しい年をすごした。この春は、桜・海棠とも見ることがなく過ぎてゆく。もうそろそろ余裕も出てきたので、のんびりとゆっくり鎌倉の春と初夏を存分に味わいたいものだ。
(写真:鎌倉長谷 光則寺の海棠)