鎌倉散策 鎌倉歳時記 令和四年の鎌倉二階堂 紅葉ヶ谷 | 鎌倉歳時記

鎌倉歳時記

定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

 今年も後二十日ほどで年の瀬である。この時期の鎌倉の日入りは、十六時二十九分で、関西人の私にとっては非常に短く感じる。私の自宅のある大阪は、今の日の入りが十六時四十七分で、緯度経度から見て太陽の沈む位置が違う点、明るさが三十分程度長く残る。鎌倉では、午後三時になると夕暮れを感じて住居に引きこもってしまう。少しずつ、季節が変っていく。

 

 毎朝、健康管理から近隣の台(地名)の鎮守である神明神社に参詣に出る。平日は八時半に出るが土・日曜日は九時半から十時の間である。十二月十日の土曜日は、十時前に参詣に出ると快晴の空と清々しい空気が漂っていた。こんなに良い天気なら何処かに行けばよかったと思う。ふと気づき二階堂の紅葉ヶ谷の今年の紅葉は、どの様に色着いているのかと思い。今から準備して出ればと思うが、この時間では鎌倉街道も渋滞で混み、また天園ハイキングコースも人が多いと思う。明日の日曜日が晴れならば出かけようと思った。

 
 

 翌朝、起きると雲は出ているが青空が見える晴れ天気なので出かけることにした。住居を八時四十五分に出て、小袋谷のバス停から明月院に向かう。今日は、明月院通りから天園ハイキングコースに入る予定だ。明月院を過ぎると曲がり角に消えそうな字で道標が置かれており、無事に間違える事無くハイキングコース入り口にたどり着いた。何時もは建長寺から半増坊を過ぎ勝上山山頂に至るが建長寺の拝観料五百円が必要なため明月院通りから勝上山に至った。鬱蒼とした林道を進み、一つの峰を超して下る。再び勝上山を登ってゆく。歩く事が目的ならば、こちらの方が良いかもしれない。勝上山頂上に着き一服休憩。そして十王展望台に至ると鎌倉市中の若宮大路が真直ぐに見える展望所があり、天園ハイキングコース・鎌倉の名所の一つである。弘法大師石像を過ぎ、今泉の住宅街がすぐ左に広がる。覚園寺の分岐点を経て大平山・瑞泉寺方面に向かう。穏やかな道が続くが鎌倉の凝灰質砂岩の岩肌が所々に見られる。登りが少しきつくなると大平山山頂にたどり着く。 

 

 鎌倉カントリークラブのゴルフ場の横に広場があり、そこから見渡す鎌倉市中と稲村ケ崎は絶景である。また冬の天気の良い朝方や夕暮れには、富士山までが映る日があるという。ここで小腹がすき一服休憩でおにぎりを食べながら景観を楽しむ。しばらくして再び峠の茶屋へと歩き出す。峠の茶屋を過ぎると獅子岩方面に下ってゆくと紅葉・楓の赤く色付いた景観に移り変わって行く。そこを下って行くと、その色が濃く映し出され、そして獅子岩・獅子舞にたどり着き、落ち葉となった銀杏の葉と自然の紅葉に包まれる。

 

 

 紅葉は寒暖差により色付きに変化が出るが、この鎌倉では台風の多い年は、潮風がここまでたどり着き、紅葉の色付きが落ちるという。今年は台風の影響も少なく、彩はそこそこで、青空に映し出される赤く染まった葉はステンドグラスのように陽を移す。鎌倉の寺院等の紅葉は十一月中旬から見られるが、周辺の山々での自然の紅葉林は少なく、この紅葉ヶ谷が唯一と言っていい。十二月の十日前後に一番多くの紅葉が見られる。各地の紅葉の素晴らしい所が多くあるが、鎌倉は少なく、緑葉樹と混在しながら紅葉樹に包まれるこの紅葉ヶ谷がこの時期の憩いの場となっている。

 

 そのまま進むとやがて舗装道路に出て永福寺跡にでる。紅葉だけを楽しむために鎌倉宮から永福寺を経て紅葉ヶ谷に入る人もおられるが、紅葉ヶ谷から獅子舞に至る登山道が、何時もぬかるんでいるため運動靴での歩行はやめておかれた方が良いと思う。この日も、白いスニーカーを履いた女性が困っておられた。明月院通りから天園ハイキングコースを経て紅葉ヶ谷、そして鎌倉宮までゆっくり歩いて二時間半ほどの行程であり、幼稚園児の年長さんも行くことが出来るハイキングコースである。