鎌倉散策 令和四年のぼんぼり祭り | 鎌倉歳時記

鎌倉歳時記

定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

 

 

鶴岡八幡宮では、八月六日、夏越祭が十五時から実施される (立秋の前日)。夏の邪気を祓う神事が源氏池のほとりで行われた後、参道で「茅の輪くぐり」を行い、健康を祈願する。八月七日、立秋祭が十七時から行われる(立秋の日)。夏の無事を感謝し、実りの秋の訪れを奉告する。昭和二十五年より始められたお祭りで、ご神前には神域で育まれた鈴虫が供えられる。八月九日、実朝祭が御前十時から実施される(場所:八幡宮境内の白幡神社)。源実朝公の誕生日に執り行うお祭りで、昭和十七年より始められた。実朝公の遺徳を偲ぶとともに、和歌、文芸に優れた実朝公にちなみ、例年、短歌会が催される。この四日間に行われる行事と共に鎌倉在住、または鎌倉にゆかりのある著名人の書画が「ぼんぼり」に仕立てられ参道に明かりが灯され、鎌倉での最大の風物詩になった。  

  

  
 鎌倉では四日の木曜日から六日の土曜日までの間、曇後雨という天気が続き、四日の日は夜に雷雨で強い雨が降った。気温も前日までの最高気温が三十二度前後の暑さが、嘘のように二十七度前後に低下して、三日間は日中クーラーも必要なく、夜も扇風機も必要なかった。ほんの夏の一時のやわらぎである。七日の日曜日から再び暑さがぶり返すと言う事なので、涼しい間にと思い、ぼんぼり祭りの始まる土曜日に出かけた。夕方五時過ぎのバスで八幡宮裏に向かう。何時も渋滞する鎌倉街道も今日は道もすいていたため十分ほどで着いた。今日の日没は六時四十一分なので、もう三十分後のバスでよかったと思う。まあ早めに来て、ゆっくりと書画を見る方が落ち着いてみることが出来る。また、ぼんぼりの点灯は日没と同時に行われるため、それを見るのも楽しい。日没までは、かなり明るく中々暗闇が訪れないが、日没を過ぎると、一気に境内は暗くなってゆく。

   

(坂東彌十郎氏、大泉洋氏、新納慎也氏)

  

(宮沢エマさん、迫田孝也氏、小栗旬)

 
(三谷幸喜氏、中村獅童氏)

 今年は、『鎌倉殿と13人』の大河ドラマの放映のため、三谷幸喜氏はじめキャストの人のぼんぼりが多く灯された。目に付いたのは、歌舞伎役者の坂東彌十郎さんの書画で、やはりうまい。大泉洋の女装をして逃亡する頼朝を描いた自身の似顔絵は上手く出来ていた。後、阿野全成りの新納慎也氏と宮沢エマさんが非常にセンスの良い書画を書かれている。字の上手い人は羨ましい。私も下手な方であるが、冠婚葬祭時に自身の名を記帳する際にいつも恥ずかしい思いをしていた。五十半ばで始めた般若心経の写経をするようになり、最初は写し書きから、そして二年ほど週一回程度の割合で書いていると写さずに、そのまま書く臨書に移った事で少しはましになったと思えるが、それは自分なりの感覚である。また、円覚寺官長の横山南陵氏、山本富士子さん、多摩美術大学教授の西岡文彦氏の猫、俳優の榎本孝明氏、秋吉久美子さんは、何時も拝見させていただく。自分なりに恥ずかしながら評価し楽しんでいる。

  

 

 鎌倉に来て平成三十一年、令和三年、令和四年とぼんぼり祭りを見る。令和二年はコロナ感染症のため中止になり、昨年は開催があまり報じられなかったせいか人出は少なく感じられた。しかし今年は、移動制限が無い夏休みのため、また初日ということで、かなりの人出になっている。午後七時を過ぎて境内を離れて帰路に着くが、来る人の多さで参道のぼんぼりをゆっくりとみる事は出来ない状況であった。人ごみの熱気に圧倒され、汗がにじみ出る暑さを感じる。鎌倉駅に向かい、何時も行く御成町のスペインバルに行き、ビールを頂くと咽越しの良さの清涼感で生き返る思いだった。