鎌倉散策 令和二年十二月、鎌倉の行事 | 鎌倉歳時記

鎌倉歳時記

定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

 

 今年も、あっという間に師走に入り、忙しく、また第三波のコロナウイルス感染症の増加により行事も見受けられ、見学不可の場合も多くなっている。鎌倉には年末の除夜の鐘を撞かせて頂ける寺院もあるが、鐘を撞く縄が接触感染の恐れがあるため、見学のみにされている寺院や、アルコール消毒液を設置して付かせて頂けるところもある。毎年、鐘を撞かれる方は行き先の寺院様に確認を取られることをお勧めいたします。師走の忙しい事もあり、十二月の行事は、それほど多くない。主だった行事を紹介させて頂くと、

 円覚寺、十二月八日火曜日、成道会(じょうどうえ)、仏殿にて行われるが見学不可である。成道会は釈迦がブッタガヤの菩提樹の下で成道(悟りを開いた)されたことを記念して行う法要である。例年仏殿の釈迦如来像の前に釈迦が悟りを開いて修業した山から下りてくる姿を描いた「出山釈迦図」を掲げて儀式が行われる。

 

十二月三十一日火曜日、除夜念誦、仏殿にて行われるが見学不可である。仏殿の一角にある土地堂の前で北条時宗公の位牌を中心に左右に伽藍神が安置され、その後舎利殿に移動し読経が行われ、最後に「庭間触礼(ていかんそくれい)」と呼ばれる儀式が行われる。舎利殿に移動する惣領の列は見る事が出来るらしい。

 

(写真:弁天堂と洪鐘)

同日、弁天堂にて国宝の洪鐘による除夜の鐘が撞かれ、見学可能である(円覚寺年間行事と法要から引用)。

 鶴岡八幡宮では十二月九日水曜日、地久祭が行われる天皇陛下御生誕の「天調査委」に対して皇后陛下の生誕を祝し祈り行われる祭事である。老師の「天長地久」の言葉から用いられた。午前十時祭典、十七時御神楽との事。

 

(鶴岡八幡宮、大祓い)

十二月十六日水曜日、御鎮座記念祭が行われる。この祭典で行われる御神楽は鶴岡八幡宮創建当初から伝わる行事でで、八百年余りの歴史を持つ。源頼朝公の先祖源頼義が源氏の氏神である京都の石清水八幡宮を由比郷鶴岡へ勧請し、後頼朝がこの地に遷し京都した。その後町屋からの火災により社殿焼失し、頼朝により直ちに最高がなされ、建久二年十一月二十一日に京都より伶人多好方を招き御鎮座記念祭を執行した。浄闇の中、篝火に映る舞姿は雅で幽玄の世界偲ばす。午前十時、祭典。午後五時、御神楽と記載はある。

十二月三十一日、十五時の一回のみ、大祓い、一年の厄を祓う儀式で茅の輪をくぐり、紙の人形を身体に寄せ、その後奉納する。今は、三十一日に密にならないように舞殿横に茅の輪が設置されている。古神札焼納祭十六時。除夜祭、十七時。鎌倉観光協会公式ガイドではこれらの行事が記載されているが、行かれる際は鶴岡八幡宮に確かめた方が良い。 

 

 

 長谷寺では十二月十八日金曜日、参道で歳の市が行われる。出店では達磨、暦、熊手など新年を迎える縁起物や菓子などが売られ、鎌倉で唯一残る歳の瀬の風物詩である。長谷寺が十六時半から無料拝観になり、夕方から出かける事でより一層縁日を楽しむことが出来る。三十一日、除夜の鐘と零時を過ぎると六千の蝋燭に火が灯され万燈籠が行われる。

 銭洗弁財天では十二月ニ十三日水曜日、今年最後の巳の日がこの日で銭洗弁財天の霊水で銭を洗うと来年にはその銭が何倍にもなるかもしれない。

 
(写真:長谷寺と歳の市) 

 各寺において催される十二月三十一日の除夜の鐘、今年において事前に確認された方がよいと思う。私は住居から遠いが、扇ヶ谷の浄光明寺に行く。不動堂で護摩供養がなされ、この日のみ御開帳される不動明王様にお参りし、お札を頂き、除夜の鐘を撞かせてもらう。御住職に連絡させて頂き例年通り行われると聞く。鐘はアルコール消毒液を横に置き撞かせて頂けるとの事だ。昨年は寒い中、出かけ帰りは電車も少なくなり住居にたどり着いたのが一時半を過ぎていた。

 

(写真:浄光明寺山門と不動堂)

 鎌倉で除夜の鐘を撞かせてもらえるのが、円覚寺、東慶寺、浄智寺、建長寺、薬王寺、浄光明寺、大船観音、龍宝寺(龍寳寺)、杉本寺、瑞泉寺、長谷寺、光明寺、青蓮寺、満福寺、本覚寺、妙法寺、海蔵寺、明王院があるが、拝観料必要、先着順、整理券配布、百八人限定等がある。コロナウイルス感染症に対して中止、また見学のみとなっている寺院もあるため事前に確認をされた方が良いと思います。三十一日の除夜の鐘を撞くことで自身の煩悩を一つ消せたように思い、その年の最後の風情を感じさせてもらえる。

 

 

(写真:浄光明寺不動尊と梵鐘)