鎌倉散策 「毎日が普通」と言う幸せ | 鎌倉歳時記

鎌倉歳時記

定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

 

 六月十一日に関東甲信越も梅雨入った。三月二十四日に大阪に帰り、三十日に鎌倉に戻って来て、もしもの事があればと思い住居で謹慎している間に緊急事態宣伝が発令された。緊急事態宣言が出た時に一度、市役所等の用事で市中に出た時、いつも混雑する鎌倉駅が数えるほどの人しかいないことに驚いて、それから、ほぼ二が月の間、住居で自粛生活の中、多くの中世史の文献書物を読む事が出来、資料整理も行う事が出来た。その間、市中に出る事は無く、気晴らしに、週一回、車で鎌倉切通外の取材で寺院を巡った。またその都度、鎌倉山のケーキ屋さんへ行き、オープンデッキの椅子に座りケーキにとアイスオーレを飲み、鎌倉山の景色と遠くに見える相模湾の海を見るのが日課になっていた。

 

 五月のニ十七日に緊急宣言が解除になったが、様子を見ながら六月に入り、恐る恐る鎌倉駅周辺の行きつけのお店を訪ねた。毎週木曜日は市中に出て、美味しいものを食べるのが、この鎌倉に来たもう一つの理由である。行き付けの居酒屋さんへ行き、おかみさんに話を聞くと時短で営業は続けていたようだ。私自身、免疫抑制剤を服用し、感染リスクが高いため極力自粛していたことを告げ、お詫びをしながら、また寄せて頂くことを伝えた。久しぶりに美味し肴と酒を頂き、家で飲むお酒とは美味しさが違う。カウンターに座り他のお客さんと一言二言の話しをするのも久しぶりだった。行きつけのBarに電話をすると繋がり、営業再開は三日の水曜日からと言う事で、近日中に伺う事を告げ、その日は自宅に戻った。

 

 六月十一日木曜日に市中に行く予定だったが、梅雨入りした事と雷雨と風が強くなるとの事で翌十二日に出かけた。御成町の「ママパンダ」と言う、バルに向かい、ママさんに久しぶりですと詫びた。何時ものブルスケッタ、真鯛のカルパッチョ、イカのトマト煮、海老とマッシュルームのアビージョは非常に美味しく、ハーフで出していただけるので私のような人間にとっては行きやすい店である。ビール二杯と最後にシェリー酒を飲む。ママさんの素早い料理の手際よさを見るのも楽しく、昔スペインに行った思い出がよみがえる。その足でいつものBarに行くと思いもかけず多入りであった。皆、人恋しいのだろう。カウンターに一席空いていたので、そこに入れてもらった。ジンソニック、そしてArdbeg10年の水割りを飲み、まったく知らない御客さん、何度かあったお客さんと話す。私の行くお店は、ほとんどが鎌倉、および鎌倉近隣の人で、優しい。関西弁の私が受け入れてくれるお店である。特に鎌倉の人達は鎌倉人としての気質があり、筋が通っていながら優しい。そう言う事を考えながらこうして飲める、本当に「毎日が普通」と言う幸せを感じた日だった。

 

 しかし、まだまだお互いに出来る感染対策を施し、他の人に迷惑をかけないように暮らしていきたいと思う。この日に鶴岡八幡宮を通り小町通も見たが観光客は普段の二から三割ぐらいであった。また、西口の時計台の工事も終わり、綺麗になっていた。節度を持って通常の日常に戻りたいものだ。