鎌倉散策 天満宮(てんまんぐう) | 鎌倉歳時記

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定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

 

 天満宮は上町屋の鎮守である。鎌倉市には菅原道真を祭神とする天神社、北野社等は二階堂の荏柄天神社、山崎の北野神社、そして上町屋の天満宮の三社がある。荏柄天神社は『相州鎌倉荏柄天満宮縁起』によると創建が長治元年(1104)とされ、山崎の北野神社は暦応年間(1338~1342)、夢窓疎石が京都より北野天満宮を勧請したと伝わる。上町屋の天満宮は社伝によると天慶年間(938~947)に、藤沢村岡在上総介良文が霊夢により天神を祀ったのが始まりとされおり、平良文は畠山、千葉、上総等の坂東八平氏の祖である。三社において単的に創建年では一番古い。

 

 天神信仰はもともと降雨、天才地変をもたらす天上の神を人々が畏れ崇めたのが始まりで、雷神信仰になり平安期に菅原道真の御霊に対する信仰となった。中世から近代まで大船地区、片瀬地区は農業が盛んな地区で特に片瀬地区は河川が幾つも流れ池および沼地を形成していたため、降雨による氾濫を鎮めるため、天神社が創建されたのではないかと考える。

祭神:菅原道真。例祭:一月二十五日。境内社:梅王社、松王社、稲荷社。神事芸能:鎌倉神楽(例祭)。宝物:石造庚申塔(市文)。

鳥居は天保十一年(1840)銘が刻まれている。社殿は天明元年(1781)の再建。

 

 

 寛文十年(1670)銘の庚申塔があり市の指定文化財になっている。庚申塔横の菅原道真公の石像は正徳二年(1712)に造られた像で、洲崎神社(元山崎の北野神社)の御神体だったとも言われている。境内には三社が祀られているが、これらの祠は明治期に東京からこの地に来た大工が申し出て造られたと言う。かつては、すぐ近くの光泉院が管理していた。その慣わしから現在も正月に泉光院から御幣を受けて祀られている。

 

 湘南モノレールの湘南町屋から西に光泉寺、天満宮を歩き湘南深沢の駅に近づく。寺分の広大な土地は今も原野として残されている。いつかはこの地も開発が入り、工場地帯あるいは住宅地として変わっていくのだろう。

天満宮(てんまんぐう) 鎌倉市上町屋616 湘南モノレール上町屋駅より徒歩十分