令和二年NHK大河ドラマ「麒麟が行く」が女優の交代劇の末、二週遅れで始まろうとする矢先、令和四年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が決定された。作・脚本は三谷幸喜で新撰組や真田丸に続く三作目の大河ドラマである。番組として面白い面もあるが、人物像に対し、まったく定評を覆すこともある。主演の北条義時は小栗旬が演じる。
NHKドラマ ドラマトピックスから、「華やかな源平合戦、その後の鎌倉幕府誕生を背景に権力の座を巡る男たち女たちの駆け引き―
源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男 二代執権・北条義時。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。神と鎌倉を舞台に繰り広げられるパワーゲーム。義時は、どんなカードを切っていくのか―」
三谷幸喜インタビューより「新しい大河ドラマを作ろうと、『こんなタイトル,今まで絶対になかった』というものにしたいとと思い、試行錯誤を重ねて、最終的にこの『鎌倉殿の13人』のタイトルに決まりました。『鎌倉殿』とは、鎌倉幕府の将軍の事です。頼朝が死んだあと、二代目の将軍頼家という若者がおりまして、この頼家が二代目ということもあって、『親父を超えるぞ!』と力が入りすぎて暴走してしまう。それを止めるために、十三人の重臣たちが集まって、これからは合議制で進めよう、と取り決めて合議制の政治が動いたと言う瞬間で、まさに僕好みの設定です。今はまだ、十三人の名前を御存じの方はおそらくほとんどいないでしょうが、このドラマが2021年にオンエアされて、その年の暮れぐらいになると、もう日本中の皆さんが十三人人の全員の名前を言えるようになると確信しております。この十三人全員が勢力争いの中で次々と脱落していく中、最後に残ったのが「北条義時」です。いちばん若かった彼が、最終的に鎌倉幕府を引っ張っていく最高権力者になる。そこまでを、今回のドラマで描いていきたいと思っています。この時代は本当に面白い。面白いドラマ、面白い物語の要素が全部詰め込まれている時代です。―」
この鎌倉を盛り上げるには好材料である。しかし、また観光客が増えるのかと思うと微妙な感覚である。どのようなドラマになるか楽しみであるが、ただ、ありがちな歴史的根拠が無い事や、以前の「新撰組」や「真田丸」と言った現代的なオチャラケはやめていただきたい。賛否は分かれるが、大河ドラマは、歴史的認識の威厳があったが、今はその影が無い。視聴者が離れていくのも無理は無いと思われる。不明点において、不明と明確にしながら視聴者に訴える物語を作って頂きたい。少しは事前説明も必要かと思い十三人を記載する(私の希望は鎌倉殿と十三人と漢字表記にしてもらいたい)。
公文所別当 大江広元、問注所執事 三善康信、公文所寄人 中原親能、政所家令 二階堂行政、侍所所司 梶原景時、公文所寄人 足立遠元、三河守護 安達盛長、常陸守護 八田知家、信濃・上野守護 比企能員、伊豆・駿河・遠江守護 北条時政、寝所警護衆 北条義時、相模守護 三浦義澄、侍所別当 和田義盛である。
三月は鎌倉の行事も少なく、少しずつではあるが、この時代背景や人物像も記載していきたいと思う。歴史的において鎌倉幕府が成立する時期も面白いが、頼朝が死んでから二代執権義時、三代執権泰時までの時代が面白い。北条執権体制が十六代執権の中で、名執権として、二代義時、三代泰時、五代時頼、八代時宗がよく上げられるが、二代義時について疑問が残る。幕府存亡の危機であった承久の乱は北条正子や政所別当であった大江広元が、まだ生きていた時代であり、この二人の行動と助言が無ければ幕府は崩壊していたと私は考え、義時は、武士と言うよりも政治家であり、頼朝死後の時代の中で変化しいき、幸運に恵まれた執権であったと考える。そういった点を考えると三代執権泰時までの時代を描いてほしい。