鎌倉散策 千手院(せんじゅいん) | 鎌倉歳時記

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定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

 

 光明寺の総門の左手に立ち朱色の赤門が特徴である。山号は光明寺と同じ天照山で、寺名が千手院である。鎌倉三十三所観音霊場の第二十番札所である。この寺院を示す歴史的資料・文献等は関東大震災で焼失され、開山、開基、創建年等は不明となっている。また、以前は僧坊で専修院と称し浄土宗の念仏道場とされていた時もあった。

宗派:浄土宗。 山号寺号:天照山千手院。 本尊:阿弥陀如来。 寺宝:本尊阿弥陀如来坐像、天文元年(1532)に関西からこの寺に来た恢誉(かいよ)上人が守護物としても持ってこられたものと伝えられる、木造千手観音立像。この木造千手観音立像は文元年(1532)に関西からこの寺に来た恢誉(かいよ)上人が守護物としても持ってこられたものと伝えられ、その後、千手観音堂と呼ばれ、この千手観音を祀っていたと言われる。千手観音像が人々に知られるようになり、千手院と改名されたと言う。

 

 江戸時代徳川家康により、光明寺が大檀林(仏教宗派の最高学問所)と定められた頃は、全国各地から学僧達が集まり、千手院はその修行道場の一つであった。本堂横の墓地には代々の学頭の墓がある。江戸時代中頃から学僧達も減少し、学等であった住職が近隣の子供たちに読み書き・算盤をお教える寺子屋も兼ねていた。明治に入り十年ごろからは材木座の子供たちが通学する、桑楊学校と呼ばれていた。その名残りとして境内に、寺子屋の記念碑が建てられている。また、子恵地蔵も境内に祀られている。

 材木座の明るい日差しの中、閑静な寺院であり、桜の季節になると手入れの行き届いた庭に一層、彩が生えるだろう。本堂前から障子を少し開けると金入りに輝く本尊阿弥陀如来坐像、木造千手観音立像を拝観させていただける。拝観は無料・志納。

千手院(せんじゅいん) 鎌倉市材木座6-12-8 ☏0467(23)0305 拝観時間特に無。拝観無料。鎌倉駅東口より小坪経由逗子行きバス光明寺下車徒歩三分。