鎌倉散策 建長寺まつり | 鎌倉歳時記

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定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

 

 十一月二日(土)、建長寺宝物風入れが、今年度は昨年から始まった落慶供養が行われた建長寺まつり(十一月二十五日)と同時に行われるようになり、「第二回建長寺まつりが」十一月二日から四日開催された。

初日の二日(土)は「けんちん汁」五千食が振る舞われ、法話スペシャル『禅と食』と題して行われた。また三日、四日と方丈龍王殿にて御詠歌、祈祷会(半僧坊大権現に健康長寿、諸願成就、災害復興を祈る)。宝物風入れ、は、応真閣得月楼にて展示。風入れ特別講座。三門特別拝観。ワークショップ(念珠づくり、香り袋づくり、仏メイク体験)。禅文化体験(写経・写仏、けんちん汁講座)、大型テント内での災害復興支援村の縁日が三日間通して行われた。

 

 二日(土)の日に「建長寺宝物風入れ特別講座」の参加、宝物風入れ展示の見学、縁日でのけんちん汁をいただき、三日(日)は山門の拝観を行わせてもらい、お釈迦様のお導きの様に感じ、心が清浄になったような気がした。三門拝観が十三時であった為、何か他に拝観できるものはないかと思い。法殿で行われていたワークショップで念珠ブレスレットを作らせてもらった。様々な色の珠を自分の好きな配列をして繋ぎ合わす。私は青色系統でまとめてみた。親玉に糸を通す時と最後に再度通す時が難しく、通ればボサと言う親玉の上に乗せひもを閉じ完成である。体験料は二百円で、楽しく作る事が出来たが、作業に少し時間がかかってしまった。

 

 方丈龍王殿にて御詠歌、祈祷会(半僧坊大権現に健康長寿、諸願成就、災害復興を祈る)があることを知り急いだ。御詠歌は鎌倉流御詠歌で「建長寺由来和讃」、「建長寺由来御詠歌」「建長寺本尊身代わり地蔵菩薩縁起和讃」が披露された。御詠歌は今年八月十六日に円応寺水施餓鬼会で聞き二度目である。柔らかい音色が心を清浄に導く。当日頂いた御詠歌の配布物に歌詞と現代役が記載されていたので、作詞、高木宗監「建長寺由来御詠歌」を紹介させていただきたい。

み佛(ほとけ)の大覺(さとり)の道は 地獄さえ 法(のり)のみ寺と なすぞ嬉しき

現代意訳:開山さまがお伝えになった禅の悟りの道は、地獄谷の刑場地さえも、建長寺という広く人々を悟りの安らぎへ導くお寺とされました。こんなにうれしく、幸せなことは無いでしょう。

鎌倉流御詠歌は建長寺にて「巨福支部」が始まり、月一度練習される。服装は自由で、法具は貸していただけ、参加費は無料との事である。興味を持たれた方は建長寺にご連絡すると対応していただけるとの事です。

 御詠歌の後、同じ方丈龍王殿にて祈祷会が行われた。普段は建長寺境内の山上の半蔵坊大権現で行われる祈祷であるが、建長寺まつりの祭は、龍王殿で行われる。半蔵坊大権現は仏や菩薩が衆生(しゅじょう)を救うために仮の姿で現れる事と、その場で頂いた鎌倉半蔵坊大権現縁起に記載されていた。そして、半僧坊大権現に健康長寿、諸願成就、災害被害の方々のお悔みと復興を祈った。

 

 その後、応供堂で「けんちん汁口座」に参加した。建長寺開山蘭渓道隆が中国から伝え、建長寺の修行僧が作り、「建長汁」がなまって「けんちん汁」になったと言われる。当日、「建長汁(けんちん汁」のレシピをいただき、その中に特徴が記載されてあるので紹介させていただく。

1.  材料を無駄にしないため野菜の皮、根や葉などを無駄にしない為、それも使う。

2.  油でいため硬い材料も柔らかくして食す。

3.  精進だしで作る(昆布、干し椎茸)。

4.  崩した豆腐を入れる。その伝えられている内容は、ある修行僧が料理を作っていたが、うっかり豆腐を落としてしまい、それを見た開山様は、その豆腐を拾い集めて洗い、調理していた汁の中に入れたと言われる。落として崩れてしまった豆腐も大切に食したことから、豆腐は崩して入れられている(私の感想で、崩すことにより、だしが付きやすいこともある)。

5.  命を生かして使う。一杯の建長汁には、自分の命も、他の命も生かそうとする禅の心が込められている。

修行僧が食する前に食事五観文を唱え、食する時は話してはならず、無言で食す。食することも修行である(お風呂に入る時も無言である)。

それらのお話を聞き、無料で実食させていただいた。今回は具材の皮はむいた材料であったが、他ではない美味しさを感じた。これも御利益と思った。境内に出て、まだお腹がすいているので屋台村でけんちんうどんを食べたが、やはり先ほど頂いた「けんちん汁「」の方が美味しかった。

 

建長寺三門を拝観させていただき、高校・大学の文化祭のような、また学会のような雰囲気の中で、楽しい一日を過ごさせて頂きました。このお祭りに、ご努力された方々に心から感謝申し上げます。また、このお祭りが、継続していただける事を心からお願い申し上げます。

 

建長寺(けんちょうじ) 鎌倉市山ノ内8 ☏0467(22)0981 拝観時間:八時:~十六時。拝観料三百円。北鎌倉駅駅より徒歩十五分。鎌倉駅東口江ノ電バス大船行き建長寺下車。