鎌倉散策 立冬(りっとう) | 鎌倉歳時記

鎌倉歳時記

定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

 

 十一月に入り急に寒さを感じる。毎日の神明神社へのお参りにも空気の冷たさを感じだした。

鎌倉の夜は寒く、寝る時は布団も毛布掛けし、寝間着も冬用に変えた。毎年、大阪では十一月初旬一気に冷え込み、冬が間近に来ていることを知らせ、その後、良い気候に戻る。師走に入ると、一気に冬が来る。鎌倉も同じようだ。

二十四節句では立冬が十一月七日からである。立冬は山においても里においても冬の気配を感じさせる頃である。樹木の葉が色に染まり、冷たい風が、葉を落とす。冬枯れの冬木立が少しずつ目に突き出す頃である。

初候は八日から始まり、「山茶(さざんか)初めて開く(つばきはじめてひらく)」。山茶花の花が咲くころで、候には「椿」とあるが椿科の山茶花を指す。椿と山茶花は非常によく似ていて区別がつきにくい。開花時期から見れば椿は十二月から四月にかけて咲く。山茶花は十月から十二月にかけて咲く。また、散る際に椿は花首から落ち散るが、山茶花は花びらから落ちてゆく。山茶花を椿(つばき)と読むことは昔、同じ花として扱われていたのではと考える。

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昔、子供の頃、童謡で歌ったたき火を思い出す。好きな歌の一つで、昭和三十四年生まれの子供の頃、まだ焚火が行われ、焼芋も作ったものだ。もちろん、しもやけもの、あの痒さ、痛さは覚えている。  

  ざんか さざんか 咲いた道

  たき火だ たき火だ 落葉たき

  あたろうか あたろうよ

  しもやけ おててが もうかゆい 他に、「ちいさい秋見つけた」もこの時期の歌だ。

 次候は十三日に始まり、「地始めて凍る(ちはじめてこおる)」。意味は候のごとく、大地が凍り始める頃を指す。京都や奈良では盆地の為、夜から朝にかけて冷え込み、薄く水の張ったところでは凍り始める頃である。十月十五日は七五三参りをして子供の成長を祝う。千歳飴が懐かしい。

  

 末候は十八日から始まり、「金盞香し(きんせんこうばし)」。金盞は金色の副花冠を意味し、黄色い色の冠をいただく水仙の別名である。開花時期は十一月から三月で華麗な上品な香りと清楚なたたずまいから、お正月の生け花にも用いられる。水仙の花が咲き始めかぐわしい香りが漂いだす頃を指す。

 安西篤子さんの『鎌倉海と山のある暮らし』を読み終わり、非常に面白かった。知っている事も多分にあったが、知らないことで「なるほど」と言うことも多分にあった。その中で鎌倉に台風が多く来たり、近づいたりした年は紅葉の色付が悪いと書かれてあった。わずかであるが、海水が市中まで飛散するらしく、それが要因の一つらしいようだ。鎌倉の紅葉は十二月初旬から始まり、あっという間に過ぎて行くと言う。今年の紅葉はどうだろうか。

 

 立冬のこの 時期の花は山茶花、茶の花、水仙。旬の魚介類は鮃、毛蟹、甲いか。旬の果物、野菜はみかん(温州みかん)、ほうれん草、レンコンであり、いずれもビタミンCが豊富であり、この時期健康管理に大切なものである。これから鍋の季節が始まり、各家庭にそれぞれ違った定番がある。一時期、カレー鍋や、豆乳鍋、キムチ鍋など流行った。それぞれ好みが違うので単には言えないが、鍋好きの私にとって、熱燗とお鍋は最高の御馳走で、特に魚、カワハギの鍋など大好物である。鎌倉では、どんな魚のお鍋が出来るだろうか。