鎌倉散策 常盤を歩く1 八雲神社 | 鎌倉歳時記

鎌倉歳時記

定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

 鎌倉市常盤は大仏切通の北部に位置し、現在も大部分が農耕地として残っている。湘南深沢から歩いて長谷通りを行く、やがて市役所通りの分岐に来たところで、八雲神社(常盤)、円久寺がある市役所通りに入る。とすぐに八雲神社の大木と石段が有る。

鎌倉幕府が開かれる前、梶原景時の所領であり、幕府設立後、力を持った北条氏の七代執権の北条正村の別邸があった。政村の系統は代々常盤に住み、常盤流北条氏と称していた。常盤の名の由来は正村の号、常磐隱覚崇に由来する。

 

 八雲神社(常盤)を含め鎌倉には八雲神社が四社あり、八雲神社(大町)、八雲神社(山ノ内)、八雲神社(西御門)である。八雲神社は祇園信仰を指す社殿であり、祇園信仰は祭神を牛頭天王(牛頭天皇)、須佐之男命、櫛稲田姫命とする祇園信仰の神社を指す。有名な本社として八坂神社(京都府があり)、祇園信仰の神社の本社は他にもあり、広峰神社(兵庫県)や須賀神社(島根県)などである。鎌倉にある八雲神社は大町では京都の祇園社を勧請、山ノ内は祇園大神を勧請されている。常盤はかって天王社と呼ばれているため祇園信仰の社殿であると考えられる。

常盤にある八雲神社は社殿により、治承年間(1177~1181)梶原景時がこの地に除災を祈願して建立された。その後、常盤の鎮守社になり、慶長年間(1596~1615)この村の矢沢与左衛門と言う人物が熊野神社を勧請し、八雲神社に合祀した。明治時代に入り、御嶽神社、諏訪神社が合祀された。

 

 かつて天王社と称され、伝説として伝えられている起源があり、梶原のはずれにあった加護社の御神体が大雨で常盤に流され、それを見つけた農民が柄杓ですくい近くの山に祀った。麦の収穫時であった為、麦飯をお供えしたのが八雲神社の起こりだとも伝えられ、参拝する際「常盤の天王、麦天皇、竹の柄杓で水掛けろ」と唱えるしきたりが残されている。

祭神:素戔嗚尊、速玉之男命、伊弉冉命。 例祭:七月第一日曜から七日間。 境内社:稲荷社。

神事芸能:神輿渡御(れいさい)。 宝物:神輿。 神徳:除災招福、農業守護、産業振興、良縁成就。

 平日は観光客がほとんどいない常盤周辺である。天気のいい日にぶらりと散歩をして、新しいことに触れると、わくわくする気分になる。数年前から鎌倉によく来ていたが、せいぜい佐助あたりか樹ガーデンまでである。住んでみないと分からないことが色々と出てくる。