鎌倉散策 由比ヶ浜での海水浴 | 鎌倉歳時記

鎌倉歳時記

定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

  八月一日(木)にBarのマスターに由比ヶ浜の「海水浴でも行ってこられたら」と言うことで、少し考えて、金曜日に妻にメールで水着セットを送ってもらうようにした。少し考えた理由として、肌が弱く、いつも海水浴に行って火傷状態で過ごすからだ。しかし、せっかく鎌倉に来たのに一度は行ってみたいと思っていた。また。私の大好きな漱石の「こころ」の先生と初めて会う場所である。『いざ由比ヶ浜』と思い、近くのショッピングセンターでレジャーシート、ゴーグル、サンオイルと布製クーラーボックス(ビール2本用)を買い求め、二日の火曜日に出かけた。バスに乗り鎌倉駅、江ノ電に乗り由比ヶ浜、海岸には十時十五分に着いた。午前中の紫外線の方が午後の紫外線より体に影響が少ないらしい。

 海水浴には子供が小学校低学年の夏休みに行った時以来である。その後の夏休みは家族を連れて、山への旅行が多かったせいで、どうしていいかわからない。海の家のお姉さんに聞いた。「始めてきたので要領がわからないので」と聞くと、笑顔で丁寧に説明してくれた。シャワー、ロッカー、休憩場所を提供してもらい、料金が1500円。それとパラソル(1500円)を借り、飲み物(200円)でそれを求めた。まだ人出が少なく、サンオイルをたっぷりつけて柔らかい日差しに体を合わせた。しばらくたつと、少しずつ人が増えて行く。周りを見ると女性だらけになっている。2~4名のグループ、地元の人らしい一人で体を焼きに来られている女性も数人いた。

 目と心の保養にとても良い。若いっていいなと思いながら、自賛したビールを飲む。昔、漫画家のわたせせいぞうさんの作品が好きで、ほとんどの作品は持っている。私が若かったバブルの前後だったころに流行ったカラーの恋愛漫画だ(今、恋愛漫画と表現するが難しい)。その中で「ハートカクテル」でビールを飲む姿にいつもあこがれていた。「まるで子供か」と妻に言われ、男のロマンを理解できない生物に見える。シルクスクリーンの版画も5点ほど持っており、季節に応じ楽しんでいる。鎌倉の住居には1点だけ持って来た。また、「菜」「菜ふたたび」と言う作品がある。鎌倉を舞台に、彩あざやかな鎌倉の四季をいとおしい妻との恋する物語である。その妻である女性の名が「菜」で、いつも母の形見の着物を着て、美人で、心優しい女性である。私が鎌倉に来た、大きな要因の一つでもある。

 そうこう考えながら寝ながら海を見ていると、パラソルの影が遠のき、体は焼けてきたと感じた。十二時半、そろそろ、限界かなと思い、その場を片付け、海の家に戻り、昼食をとった。その後、シャワーで体を洗い、着替え、受付の女性にロッカーのキーを渡した。「初めて由比ヶ浜に来られたのですか」と彼女が聞く。「五月の半ばに一人で鎌倉に来て、行き付けのBarのマスターに一度は行って来られたらと言われて来ました」と言うと、驚いた表情を浮かべ「鎌倉のどちらにお住まいですか」と再度尋ねられた。「北鎌倉の方です」と答えると「八月中、お店は開いていますので、また来てくださいね」と笑顔で話してくれた。

 住居に戻り、海水浴の後片づけが大変だった。シート、水着、バスタオルを風呂場の水で洗い落すと黒い砂がかなり出た。自分自身も再度シャワーを浴び風呂場の砂を落とした。次の日の朝起きると、足が火傷状態で歩く事が出来ない。足とお腹がひどく、足は痛みがひどい。治るまで一週間はかかるなと思いながら、塗り薬と抗炎症剤を飲んだ。

 明後日八日は立秋になるが、引き続き暑さは続くらしい。明日からは鶴岡八幡宮のぼんぼり祭が始まり、九日の深夜に覚園寺の黒地蔵縁日が開かれる。九日の日に両方のお祭りに行こうと考えていたが、私のこの夏の最大のイベントである為、行けるか心配になってくる。