鎌倉散策 梅雨の終わりの来客 | 鎌倉歳時記

鎌倉歳時記

定年後、大好きな鎌倉での生活に憧れ、移住計画や、その後の鎌倉での生活の日々を語ろうと思います。家族を大阪に置き、一人生活を鎌倉の歳時記を通し、趣味の歴史や寺社仏閣等を綴っていきす。

  二十一日、日曜日の朝に突然の電話で先生が来る。新横浜に到着したら電話をしてもらうことにした。そして、横浜で乗り換え、大船の東出口で再度電話してもらうようにし、二時半ぐらいには大船に着く予定と確認した。二時までブログの書き込みの為、行合祭の出合い神事を途中まで見学し、住居に帰る。そろそろ電話がかかってくるだろうと思いながら、なかなかかかってこない。二時半にやっと新横浜から横浜行きの電車に乗ったメールが入る。二時五十分に大船に行けば三時くらいには来られるだろうと思い、四十分に車で大船に出た。三時になっても来られない三時十分を過ぎ、心配になり、電話をすると東口のバスターミナルの先端まで行かれており、やっと会うことが出来た。

年のせいもあり歩く時間もかかるのである。私自身もこの頃、依然と比べ時間がかかることを認識しだした。

 先生に会うのは七月初旬に大阪に帰った時に食事に誘っていただいているので、ほぼ二週間ぶりであるが、新鮮さを感じた。大船周辺から モノレールの富士見町駅を過ぎると次第に住宅地に代わり、山沿いに入ってゆく。道がすいていたので、5分少々で着いた。私一人では十分な2Kのアパートだが狭い室内を説明した。「意外といいところやな、綺麗やし、一人生活では十分の広さや」との事で、コーヒーを飲みながら話した。着いた時は少し暑かったので、付けていた扇風機のスイッチを切った。今年は鎌倉も異常気象で涼しく、始めて扇風機を着けたことに驚かれていた。

 今回の行程を話し、五時前に小町通りの居酒屋に向かった。鎌倉駅は五時二十分だが人で賑わっていたが、先日までの紫陽花のシーズンが終わろうとしているのか、観光客も少し減っているように感じた。行きつけの店もこのシーズン予約で入れないことが多いが、今日は客の入りが6割ほどであった。おかみさんに先生を紹介し、愛想良くしていただき、鎌倉の旬の食べ物をいただいた。

生しらす、鯛の刺身、鰹のたたき、茄子の煮ひたし、しらすのだし巻き等、最後に鯵の漬けご飯。

大阪ではなかなか新鮮な鯵が食べることがないので鯵の漬けご飯は気に入ってもらった。その後、御成町を歩いて、行きつけのBarに行く。日曜日には来たことが無く結構テーブル席は埋まっていた。いつもと違い客の声が大きく、聞いてみると東南アジア系の客で、こんな入りにくい店にも来るのかと、逆に驚いた。その客たちが帰り、いつもの店に戻ると、先生は雰囲気の良い店と感心されていた。先生は大阪では有名なBarは行き尽くされ、よく二人で行ったものだった。先生の体調も考え、今夜はこれで戻ることにした。人が通らない御成通りを鎌倉駅に向かい、タクシーで自宅前まで戻る。私は自宅まで初めてタクシーを使った。十五分もかからず、料金は1450円。これなら家族が来た時に使えると思い、一日が終わった。

 翌朝、予定通り9時過ぎに住居を出、車で覚園寺に向かい、鎌倉宮の駐車場から二階堂の家内が続く道を歩いて覚園寺にたどり着いた。途中民家での壁に咲く時計草を見つけた。普通5月末から6月にかけて咲くが、梅雨寒の日が続いているので、この時期に咲いたのかもしれない。私も実物を見るのは初めてで感激した。花好きの先生も知らず写真に撮ってメールで転送した。覚園寺の事は後日述べさせていただくが、案内の方に解説してもらいながら拝観し、雨の中、苔が美しく、谷戸の景観に先生も大変喜んでいただけた。まったく無宗教の先生だが、帰りに仏壇に置く十三仏の図を買われていた。帰りに鎌倉宮の社殿を案内し、厄割り石を行って、昼食をとるため由比ヶ浜の松原庵に向かった。到着後、二十分ほど待ったが、席に着けた。天蕎麦の懐石を注文したが、先生にとっては量が多く天ぷらは半分残された。私もお腹が一杯になり夜の中華の事を考えると気が引けた。曇天の中、国道123号を江の島を見ながら走り、鎌倉高校前で右折し、住居に戻った。

 住居でコーヒー豆を挽いて、ゆっくりとコーヒーを味わった。テレビを見ているうちに、知らぬ間に小一時間ほど昼寝をした。まだお腹はすかない。色々と話をしながら時間が過ぎ、六時になり若宮大路の山下飯店へ向かった。少し食べる事が出来る状態まで回復し、小サイズ(1~2人)で頼んだ。中華料理は本来大勢で行く方が色々と食べる事ができるが、この店では量が少なめに注文することができるので気に入っている。前菜は各種から3品を自分で選べる。クラゲ、蒸し鶏、酢キャベツの前菜、フカヒレ煮、アワビの醤油煮、豚と夏野菜のピリ辛炒め、鎌 倉餃子、石焼海鮮焼きそばを注文した。山下飯店の石焼海鮮焼きそばは私の大好物で、面が焦げるくらいほっておくのが最高においしい。八時を過ぎたので自宅に戻ることにした。昔は次の日まで飲んでいたが、お互い年を手とったのだなと感じる。昨日と同様鎌倉駅からタクシーで帰る。日昼大混雑の小町通りをタクシーが駆け抜けていくことに、すごく和感を感じる。自宅に戻り、明日の予定を話し、眠ることにした。

 最終日、先生から、奥さんから連絡が入り、午後2時か3時くらいに戻ってきて欲しいとの連絡が入ったとの事で、ラッシュアワーに重ならないよう9時過ぎに大船まで車で送った。「また来るわ」と言われ分かれた。あっという間の二泊三日で台風一過のような感じであったが、一人暮らしをすることで、来てもらうのは大変うれしいが、帰られるときの寂しさは漂う。また明日から同じような一日が過ぎて行くのだろう。