六月の半ばに入り、二十四節句の芒種、末候に梅子黄なり(うめのみきなり)、意味は梅の実が熟して色づくころ。季節は梅雨へ、しとしとと降る雨を恵に。鎌倉も梅雨に入ったが、それからあまり雨は降らず、良い気候が続く。あちらこちらと鎌倉を歩き始めたが、一日歩くと、次の日は持病のせいか体が痛む。
また雨が降らないうちにと、久しぶりに一人で鎌倉の行きつけの店に行く。午後5時7分の小袋谷のバスに乗るが、大船から来るため、道が混み三~五分は何時も遅れる。それを見越していっても、順調にくれば乗り遅れ、次のバスまで二十分は待たなければならない。それにこの時間、鎌倉街道はかなり渋滞する。若宮大路まで普段渋滞が無ければ二十分前後で行く。三十五分ほどかかり、店に飛び込むが、紫陽花を見る観光客が多く満席の為、別の店に行く。
新しい店を開拓するつもりで、路地に入り、それらしい店を見つけて入ってみるが、お客は一人で、値段が書いていない。帰りに、値段を聞くことを楽しみにした。そんなに、たいした物は頼んでいないが、予想通りに非常に高い。鎌倉の地元の人はあまり小町通りでは飲まないようだ。観光客が帰りに一杯飲んで、簡単なものを食べて鎌倉に酔って帰るようで、店は5時くらいには開いている。お客さんが多いところは、やはりそれなりの理由があり、繁盛するものだ。
その後、いつものBarに行く。鎌倉に来てから、妻や家族とで店に来ていたので短い会話しかできず、今日はじっくりとマスターと話すことができた。ジントニックとBOWMOREの10年で水割りをいただいた。先日、妙本寺であった事や、鎌倉に来て一月が過ぎての感想。リーズナブルで美味しい店の事。これからの鎌倉の行事。蛍の話。妙本寺でも見られることを確認。
蛍は六月初旬ぐらいが見ごろで、七月に入れば少ないと言っていた。蛍もサナギから返り、成虫としての寿命は一週間足らずとの事である。そのひと時の間、灯りをともし、飛び回り恋人を見つけるのだ。けな気な事だ、日本人の心をつかむのかもしれない。