この演目から落語の「お化け長屋」を連想しました。お化け長屋では,住民たちが空き部屋を物置替わりに使っていました。大家がこの部屋を貸そうとします。それを聞いた住民が,部屋を見に来た人に「幽霊が出る」と脅して帰してしまおうとするのです。1人目はうまくいきますが,2人目は怖がらず,最後には住民の財布まで持って帰ってしまうというオチです。貸家であること,幽霊の話題であることなどから,題名がよく似ています。ただよく見ると,貸家ではなく,貸屋なのです。幽霊を貸す商売と言うことで全くの別物でした。
歌舞伎では,かみさんが,怠け者で桶屋の男を立ち直らせたくて,実家に帰ってしまいます。自分の稼ぎで食べさせてやっていたのを止めれば自分で働くだろうと思ったからです。それでもごろごろしていると,美人の幽霊が現れます。幽霊は恨みを晴らしてしまったが成仏できないで彷徨っているところ,この男を見かけて惚れてしまい,この男の家に現れたのです。幽霊は食べ物や酒をどこかから調達して男の所に運びます。男は食べ物はなんとかなったものの,家賃が払えません。そこで,美人幽霊は仲間を集めて,うらみのある人の代わりに化けて出て恨みを晴らしてやるという商売を始めたのです。最後は幽霊たちがむなしくなって止めてしまいます。男も生きている間にしっかりと暮らさなければと気づきます。そんな中かみさんも心配になり帰ってきます。美人幽霊は怒りますが,男がりん(仏壇鐘)を鳴らして成仏させてしまいます。えらい坊さんのお経でも成仏はできないが,身内(身内同然になっていた)にりん(仏壇鐘)を鳴らされると成仏するという布石が最初の方の場面でありました。
この演目も落語にもなりそうですが,聴いたことも,そのような演目があるということも聞いたことはないのです。ネットで調べましたが見つかりませんでした。落語にするのは難しいのでしょうか。









