電池で動作しないデジタルラジオの修理を試みた | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 アマゾンで買ったデジタル式ラジオが電池では動作しませんでした。そこで開いてみました。すると電池ボックスからのプラスのリード線が外れて浮いていました。機器の内部の配線ですから機械的力はかからないのに,どうして外れたのだろうかと疑問に感じました。

 

 とにかくつなぎなおしてみようと,どこから外れたのか探してみました。外れた場所はすぐには見つかりませんでした。「ここらしい」というところがありましたが,ルーペで見てもはっきりしませんでした。そこで,望遠接写レンズを付けたカメラで撮ってみました。どうもここらしいです。

 

 電線の切れ口らしいところがはっきり見えなかったのは,貧弱なリード線のためだと分かりました。はんだ付けしようと被覆をむいてみると,心線はわずか6本しか入っていないものでした。いくら貧弱でも,機器内部の電線が切れるのは不思議です。

 

 とにかくはんだ付けしました。そして,電池を入れたところ,液晶画面に時刻が出るようになりました。「うまくいった」と思いましたが,ぬか喜びでした。ONにすると液晶画面が消えてしまうのです。もう一度開いてみると,電池マイナスからつながっている部品の電極が取れかかっていました。L5と書かれているのでコイルでしょう(セラミックスの積層コイルと思われる)。

 

 電池回路のプラスリード線が外れ,マイナス側の積層コイルの電極が溶けているところを見ると,どこかで大きくリークして,大きな電流が流れたのではないかと思われます。そう考えれば,機械的に外れる力の加わらないリード線が切れたのも,電極が溶けたのも理解できます。リード線は貧弱故簡単に取れたのでしょう。USB電源では働くので,USB充電電池を電源にしたらどうかと思いやってみました。電池ボックスに入れたのと同じ現象が起こりました。どうやら今もリークは起こっているようです。DCアダプタでは電流容量が大きいので動作するのでしょう。しかし,こう考えるとDCアダプタで動作させた場合,火災の恐れが出てきます。安物買いの銭失いでした。