エクセルを用いて連立方程式を解くとき,種々の省力化を行いました。一つ入れたセル内の数式をコピーするだけで改めて入力しなおす必要がなく,それにより誤った値を入力するエラーを避けられます。例えば下図の赤,青,緑で囲ったE80, J80, O80, E87, J87, …がそれです。それぞれ異なる値が入っていますが,これらはすべて一つのセルをコピペしたものです。
ここでJ80セルを例にとって説明します。色の付いた斜線はそれに関連した部分を示しています。紫の枠はこのセル内の数式です。紫の枠内に先ずK78が見えます。これは相対アドレスです。J80セルに対して,そのセルの2つ上,一つ右のセルを指しています。斜線のある“B”が結果になります。J80セルをコピーしたE80セルでは赤で囲った“A”が結果になります。ここで反省ですが,K$78とすれば85, 92, 99行などのA, B, C,…は不要でした。$78とすれば,絶対アドレス($の次の行番号や列記号は絶対アドレスとなる)なので,どこにコピーしても78行目を参照することになります。
次に同J80セルの青で囲ったところを説明します。紫の枠内の数式で$B$77となっているのはB77の絶対アドレスです。どこにコピーしてもこのアドレスは変わりません。したがって,どこの青で囲った部分も1になっています。
次に同J80セルの緑で囲ったところを説明します。紫の枠内の数式で$D78となっているのは,Dが絶対アドレスで78が相対アドレスです。どこにコピーしてもDは変わりません。78の部分は現在のセルの行(80)の上の上を指す相対アドレスです。例えばE87にコピーされると,D85のセルを指すようになります。Dは変わらず,行番号は現在の87の上の上85を指すようになります。
前にコピー&ペーストした場合と,カット&ペーストした場合で結果が異なることを書きました。相対アドレスと絶対アドレスをきちんと把握して数式を作れば,長い式でも,多くの場所で使えるようになります。