エクセルではコピー&ペーストと切り取り&ペーストでは貼り付け結果が異なる | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 エクセルでは,一度数式を入れれば,その数式をコピペするだけで同じ式を入れなおす必要がないのが便利な所です。下図ではまず,F14にF4からF13までの合計を入れる式を入力し,それをE14にコピーした結果です。コピーしたセルにはF4からF13までの合計の式ではなく,E4からE13までの合計の式に変わっています。これは,元がF4からF13までの合計というより,内部ではそこより10行上から一つ上までの合計という意味で使われているからです。したがって,コピーされたところでは,それより上のデータの合計の計算式に変わっているのです。


 ところが,F14セルを切り取りE14に張り付けると結果が変わります(下図)。切り取り&貼り付け(カット&ペースト)では,貼り付け先に元の範囲が維持されたままです。例えばF列の合計は不要になり,E列の合計が必要になったとすると,普通は切り取り&ペーストを使いますが,それではだめだということです。コピー&ペーストを行った後,元のセルを削除しなければなりません。


 実は現在,画像処理のため連立方程式の消去法をエクセルで行っています。このとき,上述の性質をわきまえてコピー&ペーストにするかカット&ペーストにするか選んで使っています。ちなみに,セルを削除して詰めるためにシフトする場合もカット&ペーストと同じ現象が起こります。