垂直固定台を用いて三枚組継ぎ加工 | 技術日誌

技術日誌

ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 垂直固定台を作った時,下の写真のように,加工する材料を垂直に固定して,水平板側から丸鋸やトリマで切削する予定でした。加工する材料が,水平板から地面までの長さ以下なら問題がありませんが,それ以上には対応できません。枠の端部を加工することが多く,枠の長さがこれより長いのが問題でした。


 そこで,材料を水平板側にセットし,トリマは横から使うことを考えました。


 トリマを側面から使うのは大丈夫かと多少心配しましたが,トリマの押さえ方を工夫すると安定して使えることがわかりました。写真ではしていませんが(両手を使うので,写真を撮れませんので),右手で胴部分とベース下側を押さえ,左手でトリマの後ろを押すようにします。


 トリマジグの側面を,加工する角材の端部に合わせます。


 実際には少しずつ削って深さを増していきます。少しずつ削れば,1回の操作がすんなりいきます。更に,ビットの刃の長さは20 mmしかありませんので,38 mmの深さはそのままではできません。実は,ロングビットを購入しました。そして一気に削ったため,無理がかかって曲がってしまいました。4千円したビットがあっという間にお釈迦になりました。少しずつ,ビットの出を多くしていけば無理もかからないし,かなり深くまで削れます。深いところを削っている時,浅い部分は既に削ってあるので刃のない部分になっても問題ありません。ここに書いた通り,最初はビットの出を調整していきましたが手間がかかりました。考えたら,ビットは最終の出に調整しておいて,木材をひっこめた状態から,少しずつ進めて削れば良いことがわかりました。水平板に移動する距離の印をつけました。5 mm間隔の他に7 mm間隔を赤で描きました。更に8 mm間隔を描き始めましたが,ごちゃごちゃになるので止めました。実際使ったところ5 mm間隔だけで大丈夫でした。木材を移動させる方式だと,深さを変えるのに手間がかからないので何回でも大丈夫です。


 やっている途中で気づきましたが,バリが出ます。最後には残す部分に割れが進展してしまう恐れがあります。トリマは正しい方向に移動させています。その場合,木材の上面(下の写真で)には木材をはがす方向の力がかかります。そこで,最後の部分をノミで線状の傷をつけました。これで最後の部分がはがれることを防止することができました。


 こうして3枚組継ぎのオスメスをつくり差し込んだところピタリとはまりました。写真は,単にはめただけの状態です。実際には,木工ボンドを付け,締め付け,固まった後サンドペーパー掛けをすればさらにきれいになるでしょう。