軒下加温ケース作製 その54: 安全策 | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 加温ケースでは,ヒーター用にセットされた温度より低い時,ヒーターがONになり,ファン用にセットされた温度より高いときファンが回転する(外気を取り入れる)仕組みになっています。何かの不都合(故障など)により,ヒーターがONになりっぱなしになったときの安全策を考えてみました。故障によりヒーターがONになりっぱなしになるとケース内温度は上がってしまいます。するとファンコントロールがONになります。そこで,ヒーターコントローラーとファンコントローラーの両方がONになったとき,ヒーターを止める仕組みを考えました。ファンコントローラーの出力部はリレーで行っています。リレーの接点は2回路ありますが,1回路は未使用です。そこで,ヒーターコントローラーからソリッドステートリレーに行く線の片方をファンコントローラーのリレー接点経由にすることにしました。ヒーターコントローラーのソリッドステートリレー駆動出力は,ファンコントローラーがONの時は切断されます。これにより,ファンが回っているときはヒーターがONになることはありません。

 


 ただし,ヒーターが強制的にOFFにされ,温度が下がってくるとファンが止まります。その時再びヒーターがONになってしまいます。つまり,ヒーターとファンが交互に作動することになります。安全性は多少向上するものの,あまり望ましくありません。
 そこでもう少し工夫しました。ラッチを使って,一度その状態(ヒーターとファンが同時にON)になるとヒーターをOFFのままにします。回路の説明をします。RL1のコイルには,+12 Vからファンコントロールのリレーを通してヒーターコントローラのトランジスタのエミッタに入ります。ファンがONで,ヒーターがONのとき,RL1のコイルに電流が流れます。すると,RL1の下側の接点により,コイル電流が継続的に確保されます(ラッチされる)。RL1がラッチされると,上側の接点が離れ,ソリッドステートリレーを強制的にOFFにし,ヒーターを止めます。