軒下加温ケース作製 その34:加温ケース高温時排気コントローラー(3) 電源電圧変動対策 | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

電源電圧変動対策

 温度センサーS-8100Bは1℃の変化による出力変化がわずか8 mV程度です。最初の設計での基準電圧は,電源電圧をR2, R3で分圧して作っていました。この場合,電源電圧の変動により設定温度が変わってしまいます。特に,リレーを作動させる前後での電源電圧の変動が大きいと予想されます。そこで,基準電圧を作るのに,温度センサー用の安定化された6 Vを用いることにしました。フィードバックのR2はオペアンプの出力から来るので相変わらず電源電圧に依存します。しかし,フィードバック量が小さいので,電源電圧変動による影響は少ないものと考えられます。

 

 V1, V2(下図)が異なるので,基準電圧vの計算は多少面倒になります。キルヒホッフの法則から,i1+i2=i3です。i1, i2, i3はそれぞれの抵抗器の所でオームの法則を適用すれば計算出来ます。それぞれ計算された電流を代入して基準電圧vを解くことができます。その結果は図中右の最下行の式となりました。そして,Excelを用いてそれぞれの抵抗値を変えたときの出力基準電圧と換算温度を求めました。R3は固定抵抗と100Ωのボリュームとで構成します。従って,R3の最小値と最高値の差は100Ωとなります。この条件で2種のR3の値を変えて23℃から30℃の間で変化させる条件が決まりました(この加温ケースは,植物を育てるのではなく,植物を越冬させるのが目的なので,もうちょっと低めの範囲に変えた方がよいかもしれません)。その結果,固定抵抗は組み合わせにより1.63 kΩとして,直列のボリュームにより最大値が1.73 kΩ(1.63+0.1)になるようにします。