陸軍端子の空回り防止 | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 下の写真は,最近作ったオペアンプ用電源の出力端子です。ネジを締めてリード線を取り付けることも,バナバプラグを挿して使う(左)こともでき,便利です。ところが,この端子の取り付けをしっかりと行わないと空回りする様になってしまいます。

 

 下は,陸軍端子をばらしたところです。CにBを挿した状態で,Cの細い側の径の穴をシャーシーの穴に挿し,反対側からDを挿し,シャーシーを挟みます。そして,ワッシャーE,ラグ板Fを挿しナットHで締めます(実際にはFとEの間に入れるナットもセットに入っていてE-G-H-F-G-Hの様に取り付けている)。Aは右に締めたり左に緩めたりを頻繁に行います。陸軍端子自体がネジ留めなので緩みやすいです。特にBに当たるCはプラスチック製なので滑りやすいです。また,シャーシーとC,Dとの間も同様に滑りやすいです。私はこれまで,Gのスプリングワッシャーを追加して,しっかりと締めて使っていました。しかし,締め付けすぎるとプラスチックのC,Dが割れます。妥協点で使っていました。

 

 下の写真は2種のヒューズホルダーの空回り防止の仕掛けです。上側は突起(矢印)が出ていて,シャーシーには取り付け穴の一部がこの突起のための切り欠きがあります。ヒューズが回転しようとしても,この突起が引っかかる構造です。親切に,突起のない穴にも取り付けられる様,突起を収容できる切り欠きの付いた部品(白っぽいもの。矢印位置に切り欠きがある)も付属しています。もう一つの空回り防止はヒューズホルダーのネジの一部が平らに削られているものです。これは,シャーシーにこの形の穴を開ける必要があります。大量生産ではパンチをこの形にすれば済みますが,個別に作るには,ヤスリを用いて穴をこの形にしなければなりません。ここでは,前者の方法を追加することにしました。

 

 滑り止めの突起の代わりにここでは細い線を用いました。下の写真の右側は部品Cです。Cの左側に差し込んだ(接着剤で固定)線はその左にある部品Bに開けた穴に差し込まれます。突起は0.5 mm位に切り縮めます。右側はシャーシーの穴の切り欠き部に入ります。シャーシーの厚さより短い必要があります。ここでも0.5 mm位に切り縮めます。

 

 下の写真はシャーシーの3つの穴の内2つに陸軍端子を取り付けたものです。一番右の未取り付けの穴から分かる様,穴の下部に切り欠きを設けました。これはドリルで穴を開けた後,細いヤスリで削るだけなので面倒はありません。

 

 この様にして陸軍端子を取り付けた結果,緩く締めても空回りしなくなりました。もちろん,プラスチックが割れない範囲でしっかりと締めて使う予定です。