前に書いた「特定の低周波を検出する方法を考える」と題した記事の中で,「特定の周波数が来たとき信号を出す回路を考えてみたい」と述べました。単なる好奇心ですが,実験をしてみることにしました。信号を模した発振器と,選ぶ基準周波数の発振器が必要です。信号を模した発振器は可変周波数の発振器となります。こちらは将来の実験も考えて,市販品を購入しました。基準周波数の発振器は組み立てたいと思います。下の図はオペアンプを用いたウイーンブリッジ発振回路の基本図です(負帰還をかけないときれいなsin波にはなりません。ここではあくまでも基本図です)。R1,C1,R2,C2でバンドパスフィルターを形成しています。
ここでOUT端子からオペアンプの非反転入力(+)への正帰還の特性をExcelで計算してみました。コンデンサが入っているのでインピーダンスやアドミッタンスは複素数になります。Excelは複素数をそのままは使えませんが,関数が用意されています。複素数は3.2+6.5iの様な文字列で表し,四則,べき乗などの関数を用いて計算させます(計算結果も文字列)。C1,R1の直列回路と,C2,R2の並列回路が直列になっているので,その全インピーダンスを計算出来ます。帰還量は(C2,R2の合成インピーダンス)/(全インピーダンス)となりますので,それを計算しました。結果も複素数なのでその絶対値をプロットしました。そのピークの所が発振周波数になります。また,帰還量の偏角もプロットしました。偏角はプラスπ/2からマイナスπ/2の間で変化します。発振周波数では,偏角はゼロとなるので,きれいに正帰還がかかることが分かりました。