木工用集塵機の電動工具との連動化回路(23): トライアックによる再トリガ対策 | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 トライアックはT1,T2,Gの3端子があり,T1-T2間は初期状態ではOFFですが,T1-G間に電流が流れるとONになります。その状態はT1-G間の電流が止まっても継続されます。そして,T1-T2間の電圧が一旦,0 Vになったところで初期状態に戻ります。このことを利用すると,基板のリレーが切れても,交流が0 Vになるまで電流を流し続けます。すなわち,前に計画していた,「電圧が0 Vになった瞬間にOFFにする」という目的が果たせます。交流電源とACリレーのコイルの間に下図のようにトライアックを入れれば実現できると思います。

 

 手持ちのトライアックは6 Aまで使えるものと30 Aまでのもの,40 Aまでのものがあります。40 Aまでのものの形状がラグ端子に付けやすいので使うことにしました。しかし,ACリレーのコイルだけを制御するには超オーバースペックです。集塵機は1 kW(10 A)なので,このトライアックで十分制御できます。わざわざACリレーを使う必要はありません。ただ,トライアックに大電流を流すときは放熱器を用い,放熱を十分にしなければなりません。そこでケースに放熱器を付けるとしたらどうしたら良いか考えてみました。ケース背面に面積の余裕があります。手持ちの放熱器を探したら,CPU冷却器がありました。ファン付きですが,ファンを外し,ケースの背面に置いてみました。ちょっと飛び出します。ACリレーを使った方がこの飛び出しがなくてスマートです。

 

 

 先ずは,上で示した回路で試してみました。後から追加の回路なので,トライアック回路をラグ端子に組んで,足をリレーの端子にネジ留めしました。その結果,OFF時に再トリガがかかる現象がなくなりました。しかし,集塵機出力コンセントにLEDのクリップライトを接続すると再び再トリガ現象が起こってしまいました。LEDランプの消費電力は低いにもかかわらずです。卓上ボール盤でも同様でした。ところが,600 Wホットプレートではトラブルは起こりません。どうも,負荷のノイズに依るらしいです。LEDランプは発振器が入っています。卓上ボール盤はブラシモーターのノイズがあります。そこで卓上ボール盤の電源コードを,クランプ型電流計のクランプ部分に巻き付けてみました。すると再トリガ現象は頻度が落ちたように思えました。次の一手として,出力部分にノイズフィルターを付けることを考えているところです。