テスト用に用いた5 VのACアダプタをこの装置に使うのはちょっともったいないです。ディスクリートで組む選択肢もありますが,手持ちにACアダプタがたくさんあるので5 Vの一番変なものを探してみました(電流もあまり食わないので)。眼に入ったのは,携帯の“急速充電器”でした。充電器というのは,脈流であったり,リップルが多かったりするかと思っていました。そこで,100Ωの抵抗器を負荷として接続し,今回使う回路の最大消費電流50 mAを流して,オシロスコープで見てみました。すると,リップルは認められないきれいな直流5 Vが出ていることがわかりました。そのため,これを使うことにしました。以降これをACアダプタと呼ぶことにします。
一般にACアダプタは,コンセントに挿し,直流出力の線を,コネクタを介して装置につなぐのが普通です。予定している回路では,電動工具用電源と,集塵機用電源を別々につなぐ予定です。ここにDC入力も加わると電源が3つになり,面倒です。ACアダプタはできる限り装置内に収容したいです。装置内に入れるのに解決しなければならない1点目は,装置内でACアダプタのプラグをどのように扱うかです。コードコネクタなどを用いてつなぐのももったいないです。そこでこのACアダプタを分解してみることにしました。外部にはネジが一つありました。これを外すと開きそうです。このネジの形状はプラスでもマイナスでもない特殊のものでした。幸い,このねじ回しを持っています。ネジは容易にとれました。ところが,開こうとしても,なかなか開きません。こういうときしばしばあるのが,ラベルの下にもネジが隠されていることです。ラベルを剥がしてみましたが,ネジはありませんでした。そのため,ねじ回しを挟み込み,強引に開いてみました。開きました。引っかけがかなり強いのが原因でした。壊すことなく開くことができました。
ACアダプタを開いたところです。スイッチング電源でした。ラベルのコーナーにちょっと傷があるのは,剥がしてみたときの跡です。電源プラグはフレキシブルになっていて,基板右側の金属に挟まれて電気的に接続されていました。ここにハンダ付けして,ACに接続しようと思います。
解決すべき2点目は,この基板をケース内でどのように固定するかです。基板はギリギリまで部品が取り付けられていて,基板自身を取り付ける穴を開ける余裕はありませんでした。そこで,ACアダプタのケースの片割れを使うことにしました。基板はこれにとりついているので,ケースが固定できれば基板も固定できるからです。ケースの4箇所にφ3の穴を開け,プラスチックネジを締め付けました。基板を取り付けるとパターン面がここに当たりそうなので,金属ネジを用いるとショートの恐れがあります。プラスチックネジならその心配はありません。
ケースから飛び出しているプラスチックネジはナットで留めた後,アルミ板の穴を通してネジ留めしました。下の写真は側面から見たところです。
下の写真はアルミ板に取り付けられたACアダプタです。基板はケースの蓋で押さえられていましたが,その代わりとして,スペーサー,ワッシャー,タッピングビスを用いて締めました。これを装置のケースに取り付けるには,アルミ板の2つの穴をネジ留めすれば良くなります。上でも述べましたが,右側の金属の部分には電線をハンダ付けしてACに接続する予定です。