電動工具の検知電流のTTLレベル化に成功したので,リトリガブル・タイマーTTL-ICのブレッドボード上での配線へと進みました。IC出力のリレードライブまでの回路までです。回路図を下に示します。
リレー回路を付ける前に,動作がきちんと行われているか調べてみました。負荷をONにすると,下の様な波形が現れました。タイマーICをトリガして,IC出力がHになったあと,次のトリガの前にタイマー時間切れとなってLに戻ってしまっている波形です。外部抵抗/コンデンサは100 kΩ/100 nFでした。ちょっと短かったようです。
そこで,外部抵抗/コンデンサを100 kΩ/330 nFに変更しました。前の波形から,タイマー時間を2倍以上にすれば大丈夫と考えたからです。その結果,負荷をONにしたとき,安定して5 Vの出力が得られるようになりました。写真は負荷として電ドルを用いたときの波形です。変流器出力をTTLレベル化したところでは,モーターブラシによると思われるノイズがありましたが,その影響も現れず(原理的に影響はないはず),安定して動作することが分かりました。この回路では応答が早いのも特徴です。負荷がONになったほぼ瞬間に出力がONになり,負荷がOFFになった瞬間から交流の1サイクル内に出力がOFFになります。
TTL-ICの出力が期待通りだったので,トランジスタを介して小形リレーに接続してみました。リレーのコイルには約40 mAの電流が流れます。74LS123の出力端子に流し込める電流は最大約5 mAで不足です(TTL-ICでは,電流を取り出すより,負荷側から流し込む方がたくさん流せる。取り出せる電流は最大約400 µAなので,取り出す場合はもっと不足)。当初タイマーIC 555を用いることを考えていました。これならリレーを軽くドライブすることが可能です。ただ,555はリトリガブルでないので,予定の動作はしません。そこでTTL-ICを用いたのです。出力電流不足はトランジスタで補います。トランジスタは,手元にあったものから選んだ2SA1048が150 mAまで流せるので余裕です。下の写真は,ドライブされたリレーの接点をテスタのオームレンジで測定しているところです。電ドルをONにするとリレーがONになるのが分かります。
これでテスト回路は完成したことになります。次には,基板に部品をハンダ付けして最終的な回路を組みたいと思います。手元にブレッドボードと同じパターンの基板があります。テストと同じ配置で組めば良いのです。