―充電電圧計の作製5―
1つ前の記事で,メーターのパネルが完成したことを述べました。しかし,電圧の高い部分で目盛りが密になっていました。これはメーターの特性によるものです。電気二重層キャパシタの充電電圧を測定する目的ですが,耐圧に近いところでのメーターの変化率が小さいのは望ましくありません。そこで,ダイオードの非直線性を利用して,高い電圧の所の変化率を大きくする方法を考えてみました。
2.5 V付近まで非直線性の影響を与えるため,ダイオードを3個直列にしました。ダイオードは手持ちの整流用のものです。1 kΩは,低い電圧の所でメーターの針の振れが極端に小さくなるのを避けるためです。3 kΩの半固定抵抗で2.8 Vがフルスケールに調整します。2 kΩは,半固定抵抗の回転が敏感になりすぎないようにするためものです。
グラフは測定されたメーターの振れと電圧との関係です。赤が補正なし,青が今回の補正回路を入れたものです。電圧の高いところで感度が高くなっていて,希望通りになっています。ただ,半導体の非直線部分の特性は温度に依存します。そこで,ヘヤードライヤーで少し加熱したときの針の位置の変化が無視できる程度か否か調べてみました。
上の写真の上側がある電圧での室温での針の振れです。下は,ドライヤーで少し加熱した後です(家で定量的にやるには,エアコンで部屋の温度を変えて針の変化を見れば良いのですが,時間がかかるので,止めました)。前回のパネルから,読み取られる電圧の変化を考えると,0.1 V程になります。温度が高いところでは0.1 V程低めに出ることになります。許容範囲とも言えます。
手元にデジタル電圧計のキットがあります。こちらを使うか,補正したメーターを使うか,しばらく思案してみたいと思います。