電気二重層キャパシタ溶接機の充電装置の製作記録(19) | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

―リミッタ回路の設計―

 定電流電源が完成したので,リミッタ回路の検討に移りました。充電されている電圧が基準値(目的は2.5 Vですが,2 V弱から2.5 Vの範囲で設定できるようにしたいと思います)以上になるとリレーをOFFにする回路を作りたいと思います。そのため,電圧が基準値以下で5 V,以上で0 Vになる回路を考えます。この様な入力値と基準値の比較はトランジスタを用いて実現させるか,オペアンプを用いて実現するのが普通ですが,私はタイマーIC,NE555を愛用しています。このICはタイマー用に設計されたものですが,内部に比較回路が組み込まれていて,出力が流れ出しも流れ込み200 mAまで可能なのでリレーもそのままドライブできます。また,ノイズに強い切り替えを実現できます。

 NE555の2番端子を入力とし,比較値(基準値)は内部で電源電圧の1/3になっています。入力がそれを越えると,出力が5 Vから0 Vに変わります。それでリレーを駆動すれば基本的には終わりです。ここでは,5番端子と7番端子との間にr(S)が繋がれています。7番端子は,出力が0 Vになったとき(言い換えると入力が基準電圧を超えたとき)電気的にGNDに接続されます。5番端子が抵抗でGNDに接続されると基準電圧が下がります。すなわち入力が基準電圧を超えて,出力が0 Vになると,ノイズなどで入力値がちょっと下がっても,基準電圧がもっと下がっているので,再び出力を5 Vに戻すことはなくなります。すなわち,入力電圧が微妙なときも出力が5 Vと0 Vの間をガチャガチャとふらつくことを防止できます。

 6番端子は,入力が基準電圧より下がったとき出力を5 Vに戻すためのものです。4番端子は別の使い方をするときに使う端子で動作しないように電源に接続しておきます。