電気二重層キャパシタ溶接機の充電装置の製作記録(18) | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

―定電圧部のトランジスタがお釈迦になった―

 わざと昭和っぽい言葉「お釈迦」を使ってみました。お釈迦→仏→死んだ→壊れたの意味です。定電圧部に,昭和のゲルマニウムトランジスタ2SA116を使っていて,それが壊れたからです。壊れてから規格表を確認してみました。コレクタ電流の定格が15 mAだったのです。先に述べたように,このトランジスタには約50 mA流れ込みます。50 mAという値はそんなに大きな値ではありません。このトランジスタの定格はそれよりずっと低かったのです。このトランジスタはラジオの高周波増幅用のものでした。非常に微弱な信号を扱うためのものでした。

 そこで,私の部品箱からトランジスタを探してみました。その中で2SA608というトランジスタが都合良さそうでした。コレクタ電流の定格値が150 mAです。コレクタ-エミッタ間の耐圧も50 Vあります。hfeは部品間でばらつきが大きいのでテスタで計ってみました。110となりました。

 ちなみに電流出力端子がオープンになると大きな電流が定電圧ユニットのトランジスタに流れ込みます。おそらく,当初のゲルマニウムトランジスタはそのとき壊れたのでしょう。新しいシリコントランジスタ2SA608にした後も,電流出力端子がオープンになったとき,トランジスタが熱くなりました。それでも壊れなかったことからシリコントランジスタは強いと感じました。…逆かも知れません。最近シリコントランジスタの強いのに慣れていて,ゲルマニウムトランジスタを壊したのかも知れません。

中央部に交換したトランジスタが見えます。足の配置が古いものと異なるので,リード線がひねられた形になりました。