シリカゲル再生後の冷却に金属缶  | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 SPSする出発粉体や,焼結体が水分を吸いやすい場合はデシケーター等の乾燥ケースに保存します。私はカメラ用の乾燥ボックスを使っています。湿度計も付いていて便利です。ボックスの中にはシリカゲルを入れた金属缶を2つ入れています。一つは蓋を開けた状態,もう一つは蓋を閉めてビニルテープで封じてあります。下の写真はシリカゲルを入れて蓋を開けた状態です。


 蓋を開けてある方のシリカゲルは水分を吸って効果が薄れていきます。これは加熱して再生させる必要があります(電子保管庫では,自動的に過熱再生させますが,単なるケースの場合は過熱して再生させる必要があります)。再生させるとき,ビニルテープで封じたあった方の金属缶を開き,これまで開いていた方は再生のため取り出します。金属缶から取り出したシリカゲルは,ホットプレートや過熱乾燥機で加熱乾燥させます。


 ここで過熱して再生させたものを冷やすとき悩ましいことがあります。それは,空気中で冷やすと空気中の水分を再び吸ってしまう恐れがあります。熱いままのシリカゲルを金属缶に戻し,乾燥ケースに入れるとプラスチック部品などを傷める恐れがあります。私は加熱後,熱い状態で金属缶に戻した後,蓋を閉めて冷やします。空気が入っていかないので冷却時に空気中の水分を吸うことはありません。クリップ扇などで冷やすと能率的です。金属缶として望ましいのは紅茶缶のようなものでしょう。紅茶缶の場合は,紅茶の風味が逃げない様に内蓋で封じますので完璧です。百均などに,紅茶缶に似た金属缶が売られています。内蓋はありませんが,缶に付属の蓋だけでも,シリカゲルが冷えるまでの間に,空気中の水分はほとんど入りませんので充分に使えます。


 冷えたところで缶はビニルテープで封じ(下の写真),乾燥ボックスに戻します。次回再生するときは,上に述べた通り,こちらを開き,開いてあった方を再生,封をして入れます。