SPS終了後試料を取り出すには,通常下の図に示す様にします。ダイを取り出し用シリンダー(内径がパンチ径より大きい)に載せ,上側のパンチの上に押し棒を載せ,プレス機で押し出します。下側のパンチが抜けるようならあらかじめ抜いておきます。シリンダーの下部には,パンチが落ちたときの衝撃を防ぐためにワイプ紙などを丸めて置いておきます(私の場合,落ちないので省略しています。試料部がダイから抜けた瞬間,プレス機が軽くなるので,プレスを中止します。あとは,手で抜けます)。
押し棒は,金属棒を特注で作れば済みますが特注だと高くなってしまいます。私はボルトを用いています。ボルトの頭は下の写真の右の様に浮き出した文字がついているものもあります。この部分がグラファイトパンチに当たると,浮き出した部分がグラファイトを傷つけるので好ましくありません。左の様に頭がフラットなものを使いましょう。
下の写真はボルトのねじ部分を拡大したものです。こちら側もフラットではありません。
ねじ部分にはナットを付けます。ナット一つだと回ってしまい固定されません。そこで下の写真の様にダブルナットにします。ナットとナットの間にはスプリングワッシャーを入れると安定します。
下の写真は,ダブルナットを締めた状態です。ここで注意点は,ボルトの先端がナットより引っ込んでいる様にすることです。ナットのパンチに当たる部分は比較的広いので,パンチを押し出す程度の圧力では,パンチを傷つけることはありません。