ダイに試料をあらかじめセットしておいてSPS室に行って即焼結を始めたいということがあります。実験室の方がいろいろ揃っているので,あらかじめセットしておきたいと言うこともあるでしょう。あるいは,よその機関のSPS装置を借りるときなど,セットしたものを持って行った方が効率的です。
私は,下の写真の様に,セットしたダイをホルダーに取り付け移動させています。木材で作ったロの字型の枠の中にセットしたダイを置き,その上に板を切ったものを載せ,さらに1 mm以上の厚さの鉄板を置きます。そして,枠の上部から木ねじで締め付けます。これで結構乱暴に扱ってもセットされたダイはきちんとしています。
枠は1×2の角材(約1.9 mm×3.8 mm角)と12 mm厚の合板(底面)を用いました。底面にも1×2の角材を用いてもかまいません。その場合,高さが増すので安定感は減じます。上下4カ所ずつねじ止めします。上下の木材のねじ部分はφ5の穴を開けましょう。木ねじがするすると通るようにします。理由は私の作ったYoutubeをご覧下さい。
https://youtu.be/QjqwvCCMsy4
垂直の木材のねじが入る部分はφ2の下穴を開けておくとねじ留めがスムーズになります。最後に垂直に木ねじを挿せばできあがりです。ダイの上側を押さえる板切れを用意しましょう。板切れだけだと上から締め付ける木ねじが刺さってしまいます。厚さ1 mmくらいの鉄板も用意します。ここでは,棚用アングルから切り出しました。
使った木ねじはこのようなものです。ダイを押すための木ねじは65 mm長のものを用いました。ねじの頭付近にねじ山のついていないもの(半ねじ)もありますが,全体にねじ山が付いている全ねじがよいです。ちなみに上下の板と垂直の板を留めるねじに半ねじを用いると上下の板のねじ部分にφ5の穴を開けておく必要はありません。